横浜みなと博物館(横浜市西区みなとみらい2)で6月2日、公募写真展「東日本大震災 第1回 石巻かほく復興写真展~復興の歩みを見つめて~」がスタートした。
避難所生活の中で小学5年生の兄が撮影した作品「気持ちよく寝る妹」(撮影:菅原龍星くん)
東日本大震災から1年3カ月が過ぎ、被災地では復興に向けた取り組みが本格化している。同展は、宮城県石巻地方(石巻市、東松島市、女川町)のエリアを対象に朝刊「石巻かほく」を発行している三陸河北新報社(石巻市)が企画。同社が昨年の10月15日から12月10日まで、震災から立ち上がる人々や町の様子を写した石巻地方の写真を一般公募した結果、全国から430点の作品が集まった。
会期中は、石巻市出身の写真家・高砂淳二さんらの選考による受賞作品18点、入賞作品40点を展示する。作品は、石巻復興の象徴となる製紙工場の営業再開を記録した「復興の明かり」(菅野又留造さん、石巻市)、避難所生活の中で小学5年生の兄が撮影した「気持ちよく寝る妹」(菅原龍星くん、石巻市)、「復興の笑顔」(木村重雄さん、石巻市)、「復興だGO!」(岩渕安正さん、石巻市)、「秋刀魚船を待つ」(佐々木章逸さん、石巻市)、「何を失っても」(正田雄祐さん、横浜市)など。
会場では、震災の大津波に耐え、出航400年目の再開に向けて大規模な修理作業が進められている、石巻市係留の慶長使節船「サン・ファン・バウティスタ(復元船)」の被災状況も紹介する。6月16日・17日には若者の自立や就労を支援する「よこはま型若者自立塾」の参加者らにより石巻市の名産品・特産品を販売する石巻復興支援バザール「うんめえもん市」も開催される。
横浜みなと博物館の遠藤包嗣館長は、「この写真展が東日本大震災を記憶にとどめ、支援のきっかけとなることを願っている。今後も三陸河北新報社と連携しながら被災地支援の活動として写真展を継続していきたい」。また、三陸河北新報社「石巻かほく」の大須武則さんは「復興に向けて何か貢献できないかと思い、希望が持てる写真展を企画した。復興支援のひとつとして石巻に足を運んでいただけたら」と話している。
会場は横浜みなと博物館 特別展示室。開館時間は10時~17時。入館料無料(帆船日本丸・横浜みなと博物館の常設展示見学は有料)。6月17日まで。