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横浜で市民、大学、テレビ局が連携し「防災ワンセグ」実験‐専用アプリ開発も

エリアワンセグ放送を用いた地域防災情報訓練実験を行う東海大学の学生

エリアワンセグ放送を用いた地域防災情報訓練実験を行う東海大学の学生

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 横浜市民放送局(横浜市中区山田町1)周辺で6月25日と27日、エリアワンセグ放送を用いた地域防災情報訓練実験が行われた。

エリアワンセグ放送を用いた地域防災情報訓練の様子

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 実験は、テレビ放送用電波の空き部分(ホワイトスペース)を有効活用し、新たなサービスなどの実証実験を行う総務省「ホワイトスペース特区」の試験免許を交付されたテレビ神奈川クロスメディア部(中区)を実施主体とした試み。東海大学文学部広報メディア学科水島久光研究室、市民による映像コンテンツ配信に取り組む「横浜市民放送局」らの協力で行われた。

 25日は、「ワンセグ放送からの情報提供と行動意思決定の関係を考えるロールプレイ実験」として、地震発生30分後から2時間のシナリオを作成し、ワンセグ放送視聴可能域内で被災した人々が適切な情報を取得し、行動できるかを検証。

 27日には、「IP over デジタル放送を用いた通信・放送融合型災害情報ソーシャルサービスの実験」として、ワンセグ放送の電波に、インターネット通信を送受信する電波を流し、慶應義塾大学と防災科学技術研究所が独自に開発した本邦初の防災用スマートフォンアプリを連携させることができるか実験をおこなった。

 ワンセグ放送は、受信する端末(携帯電話、スマートフォンなど)の充電さえあれば電波を受信して映像やデータを見ることができ、東日本大震災時にも効果が実証されている。同プロジェクトは、「エリアワンセグ」という放送局から500メートル~1キロメートルの狭い範囲への電波発信を活用。狭いエリアでのきめ細かい情報発信を期待している。

 今回は横浜市民放送局のスタジオから、地域の震度や被災状況を放送、同時にツイッターでの情報を収集し、その情報を再発信するという実験と、市民が被災者ではなく、横浜を訪れている観光客を救助するボランティアとして動けるように、専用アプリでの情報の受発信を検証した。

 参加した学生は、「放送局から一番近いところに高い壁や橋があり、障害物が多く電波を受信できないなど、実際にやってみないと分からないことがたくさんあった」と振り返る。同プロジェクトを推進する東海大学教授の水島久光さん(文学部広報メディア学科)は「行政ではなく、市民レベルでやることに意味があります。関わることで、地域の防災問題を自分たちの問題として考える良い機会になったと思います。ワンセグ放送が本格化した際に必ず必要となる防災機能の、実証実験ができたことは非常に有意義でした」と話す。

 同プロジェクトは、今後も実用化に向け研究を続けていく予定。

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