日本建築家協会関東甲信越支部神奈川地域会(JIA神奈川)は7月10日、横浜市開港記念会館(横浜市中区本町1)大講堂で、シンポジウム「景観の本質を考える」を開催する。
今回のシンポジウムはみなとみらい21地区の建築計画を契機に、「景観」の本質的な意味や「横浜らしい街」について、建築関係者と横浜市民が共に考えることがねらい。
建築家で国内外の公共建築や集合住宅などを手がける設計事務所「山本理顕設計工場」代表の山本理顕さんによる「美しい景観が住みやすい街をつくる」と題した基調講演の後、環境計画・建築計画を専門とする芝浦工業大学教授・赤堀忍さん、憲法学を専門とする首都大学東京准教授・木村草太さんと、山本さんによるパネルディスカッションを行う。モデレーターは、横浜市立大学国際総合科学部准教授・鈴木伸治さんが担当する。
JIA神奈川代表の青木恵美子さんは「みなとみらい21新港地区での景観論争などもある今、広く市民の方に参加いただき、横浜の景観を考えてもらいたい。景観をつくり守るということは、建物の高さや色などを法律的に規制し守るという表層的な問題だけでなく、街の遺伝子を残していくということが大切。阪神淡路大震災後のある街では『きれいに整備されたけれど、活気や息吹がなくなってしまった』という話も聞きました。整備するだけでなく、将来に受け継ぐ『その街らしい街』について多くの市民の方とともに考えたい」と話す。
みなとみらい21新港地区では、新しく建設される結婚式場のデザインが「地域の景観に調和していない」ことが問題になり、今年1月から横浜市と事業者の間で協議が行われていた。この協議が「物別れ」に終わったことで、改めてみなとみらい地区の景観について、市民の注目が集まっている。
開催時間は18時15分~21時45分。参加費無料。定員450人。参加の連絡はJIA神奈川事務局にFAX(045-663-2746)もしくはメール(jiakana@beige.ocn.ne.jp)で。