横浜三井ビルディング2階に7月10日、世界的な鉄道模型の製作・収集家である原信太郎さんの鉄道模型コレクション約1000両を展示する「原鉄道模型博物館」(横浜市西区高島1)がオープンした。
「いちばんてつもパーク」を走行する箱根登山鉄道の模型©原鉄道模型博物館
同施設は、2つの鉄道ジオラマ(いちばんテツモパークジオラマ、横浜ジオラマ)と3つの展示室、多目的ルームで構成される鉄道模型博物館。延床面積は約1,700平方メートル、展示面積は約1,200平方メートル。事業主は三井不動産。
いちばんテツモパークジオラマは、一番ゲージ(縮尺約1/32)の室内の鉄道ジオラマとしては世界最大級の面積(約310平方メートル)。横浜の姉妹都市であるフランス・リヨン市のリヨン駅をモチーフとした駅舎を構えるなどヨーロッパの風情を感じられる造りで、1周約70メートル、線路数6本、総延長は約450メートル。原さんがコレクションしてきた模型が走る。
横浜ジオラマは、旧横浜駅(現在の桜木町駅)周辺の様子や馬車道・中華街エリアなど、横浜の今昔を再現したジオラマで、HOゲージ(縮尺約1/80~1/87)の鉄道模型が同時に最大5本の線路で走行可能になっている。
展示室では、原さんが小学6年生の時に初めて製作した電気機関車「一号電気機関車」(第一展示室)、原さんの自宅の「シャングリ・ラ鉄道」(第二展示室)、世界にひとつだけ現存するといわれている「ヴッパタール懸垂電車の模型」(第三展示室)などを紹介。
同博物館副館長を務める原さんの次男、原健人さんは「館長である父・原信太郎は、小学生の少年がそのまま大きくなったような人物で、今でもいろいろな夢やビジョンを持っている。海外の博物館からのオファーもあったが、父は横浜に対する思い入れがあり、横浜が父を引き寄せたと思う。ここは父の夢や物語を語る博物館で、将来の子ども達に自分の技術を伝えたいという父の思いが詰まっている。ぜひゆっくり時間をかけて鑑賞してほしい」と話している。
多目的ルームでは、開館特別企画として、1928年イタリア国鉄の電気機関車を、世界に類を見ないレベルで忠実に再現した模型を紹介する「FS E626展」を9月2日まで実施。また、同ビル1階には、鉄道関連グッズや天賞堂製品を中心にそろえた原鉄道模型博物館ミュージアムショップ「天賞堂みなとみらい店」が同時オープンする。
三井不動産、ビルディング事業企画部 運用グループの奥植智彦さんは「鉄道模型の楽しさを通じて、技術の楽しさや素晴らしさを内外に伝える博物館を目指していく。鉄道発祥の地・横浜の記憶を伝承し、横浜市の文化・経済の発展に貢献できれば」と話している。
開館時間は11時~18時(最終入場17時30分)。火曜休館(祝日の場合は翌日、7月17日は営業、開館初年度の7~8月・GW期間は無休)。料金は大人1,000円、中学・高校生700円、小人(4歳以上)500円。