BankART Studio NYK(横浜市中区海岸通3)で11月9日から、川俣正展「Expand BankART」が開かれる。主催はBankART1929。
川俣正さんは北海道出身の芸術家・造形作家。制作の様子を公開しながら作品を制作するワーク・イン・プログレスという手法で、美術館をはじめ、病院や廃墟などさまざまな場所で制作を行っている。2005年の横浜トリエンナーレでは総合ディレクターを務めた。
廃材などを利用した都市の新しい側面を見いだす作品は世界各国で評価されており、第3回ミュンスター彫刻プロジェクト(1997年)、第11回シドニー・ビエンナーレ(1998年)、越後妻有アートトリエンナーレ(2000年)、第4回上海ビエンナーレ(2002年)などに招聘(しょうへい)されている。現在はパリ国立高等芸術学院教授。
同展は、戦後の住宅難解消のために建てられた公団住宅「海岸通団地」(中区海岸通)の解体時の廃材を使い、BankART Studio NYK全館を使用し作品をつくる、建物の内外と関わる大規模な展覧会。建物の外壁や内部空間を使った多彩なインスタレーションに加え、これまで世界各国で発表してきた代表作の写真展示や、現代美術家や建築家の活動を記録している映像作家のジル・クデールさんによる映像作品の上映も行う。
BankART1929代表の池田修さんは「国内外で活躍する川俣正さんの、国内では久々の建物内外を縦横に貫入するプロジェクト。展覧会のオープン後も作品制作は12月前半まで続くため、チケットは会期中何回でも入場できる。この貴重な機会を是非お見逃しなく」と話している。
開催時間は11時30分~19時。入場料は一般1,200円、学生600円、高校生以下・65歳以上無料。カタログ付観覧料=一般2,500円、学生2,200円。2013年1月13日まで。11月29日~12月1日は「JIA建築家大会2012横浜」(全館使用)開催中のため入場無料。
同展のカタログは、11月9日の展覧会初日に箱と第1巻(これまでの代表作と作品レゾネ)を発行。11月23日に行うオープニングレセプションにあわせて第2巻(プロジェクトプラン集)、1月13日に第3巻(ドキュメント集)を発行する予定。
また、期間中に「kawamataスクールagain」の公開講座を実施。11月26日に北川フラムさん、12月3日にはジル・クデールさんを招き対談を行う。開催時間は19時30分~21時30分。参加費は2,000円(展覧会チケット付。学生は2枚チケット付)。