横浜発祥のナポリタンを地域ブランドとして発信する「日本ナポリタン学会」は11月19日、横浜市役所(横浜市中区港町1)で、イタリア・ナポリ市のデ・マジストリス市長から受け取った林文子市長宛のメッセージ色紙の伝達式を行った。
日本ナポリタン学会は、ナポリタン愛好家により2009年9月7日に設立された市民団体。横浜発祥といわれるスパゲティ「ナポリタン」を日本の貴重な食文化として位置づけて、地域ブランド化を目指して活動している。
同学会は今年4月に、イタリアのナポリで開催されたマンガやアニメのイベント「ナポリコミコン」に横浜から材料を持ち込んで参加。会場で横浜流の「ナポリタン」を調理し、2日間で約200食をナポリっ子に振る舞った。
メッセージは、ナポリ市のデ・マジストリス市長にナポリタンを提供した際に預かったもので「横浜市長様、 ナポリタン発祥の地の食に関する素晴らしい企画に心から賞賛の意を表します。近いうちにお会いできることを楽しみにしています。デ・マジストリ」と書かれている。伝達式では日本ナポリタン学会の田中健介会長から、鈴木隆副市長に手渡された。
また、同日、洋光台の老舗洋食レストラン「センターグリル洋光台店」(磯子区洋光台4)を、日本ナポリタン学会認定店舗に決定、認定式を行った。同店は野毛の「センターグリル」(中区花咲町1)からのれん分けし、1974年に開業。店長の鈴木勇さんは帝国ホテルの村上信夫料理長からの要請により東京オリンピック選手村食堂で勤務した経験を持つ。
野毛の「センターグリル」の味を引き継ぎながら、オリジナルの改良を続けているナポリタン(750円)は、麺は本家よりも若干細く、ケチャップソースとの絡みが絶妙で、白ごはんとの相性も良く、おかずとして食べることも出来るのが特徴。洋食屋でありながら店名の入った割りばしを使う点や、アルマイト皿で提供される点も、洋光台店独自の空気を作り出している。
認定式では、田中会長から店長の鈴木さんに認定証が手渡された。鈴木さんは「長く続けてきた仕事が評価されてとてもうれしく思う。これからも、利益だけにとらわれず、地元の人に愛される店舗として店を続けていきたい」と喜びを語った。
日本ナポリタン学会の田中会長は「これからも認定店舗を増やし、ナポリタンの普及に努めたい。横浜市民がナポリタンを通じて地元の食文化に誇りを持ってもらえるよう、いろいろなイベントを開催していくことが出来れば」と話している。
「センターグリル洋光台店」の営業時間は、11時~23時。木曜定休。
スパゲティナポリタンは、中区にあるホテルニューグランド発祥の洋食メニューのひとつ。第二次世界大戦後、連合軍の軍用食として出されていたスパゲティとトマトケチャップをあえた料理にヒントを得てオリジナルソースにより考案し「ナポリタン」と命名したという。
日本ナポリタン学会は、横浜開港150周年を機に、横浜発祥といわれるスパゲティ「ナポリタン」を横浜の価値として広めていこうと、横浜の地域SNS「ハマっち!」に参加していたメンバーらの呼びかけにより集まったナポリタン愛好家により設立された。