日本建築家協会(東京都渋谷区)は11月29日から、横浜市内で「JIA建築家大会2012横浜」を開催する。
同協会が年に1度日本の各地で開催する大会で、日本中から約1,000人の建築家が集まり、暮らし、建築、街づくり、環境などについての講演や展示会を行う。今大会では、「共に超える」をテーマに、社会のあるべき姿を建築家だけではなく市民と共に考え、議論する場を提供することを目標にかかげている。会場は、神奈川県民ホール(横浜市中区山下町3)、開港記念会館(中区本町1)、BankART Studio NYK(中区海岸通3)、ホテルニューグランド(中区山下町10)。
一般公開のメーンイベントとして、11月30日には、講演会「江戸から学び、未来に繋ぐ ~持続可能で幸福な社会のための環境を問う」を神奈川県民ホールで開催。基調講演には江戸文化研究者で法政大学社会学部教授の田中優子さんが登壇し、「『足るを知る』の江戸時代」と題して、江戸時代をヒントに持続可能な社会を考える。その後、公園の設計などを行うランドスケープデザイナーを経て、現在「人とのつながり」を設計するコミュニティーデザイナーとして活動する京都造形芸術大学教授の山崎亮さん、日本建築家協会会長、建築家の芦原太郎さんによるパネル・ディスカッションを行う。
このほか、東日本大震災被災地で復興支援活動に携わる地元建築家による「東日本大震災復興支援活動報告・シンポジウム」(11月29日、開港記念会館)、新たな住まい方の提案・事例、欠陥住宅などのトラブルを回避する方法などを紹介する講演「求められる『住育』」 ―不具合を見抜く「目」を養う―」(12月1日、BankART Studio NYK)、横浜の事例をもとに景観について考えるシンポジウム「誰が景観を創るのか? JCCA+JIA協働セミナー第5回『次世代の景観づくりを考える』」(12月1日、BankART Studio NYK)など、さまざまな視点から建築を考えるイベントを実施。
シンポジウムやワークショップは参加費無料のものが中心だが、一部資料代などを必要とするものも。詳細はホームページで確認できる。
また、「東日本大震災における復興支援・計画展」(BankART Studio NYK)や各地の住宅や街並みが生まれた背景、気候風土、地形、風習、歴史等を模型で紹介する「建築家の住宅模型展・日本のすまいと暮らしを再考する」(BankART Studio NYK)など、展示形式のイベントも開催。
「JIA建築家大会2012横浜」広報部会長の鈴木利美さんは「横浜で開催される大規模な建築のイベント。Bank ART Studio NYKなどいくつかの会場で、住まい、建築、街づくり、環境などに関する展示会、シンポジウム、ワークショップなど多くのプログラムを用意している。気軽に足をお運びくだされば」と話している。
展示形式のイベント期間は11月29日=13時~19時、11月30日=9時~19時、12月1日=9時~17時。12月1日まで。