中区吉田町在住の映像監督・糸曽賢志さんが手掛けたクリスマス・ファンタジー小説「サンタ・カンパニー」がポプラ社から発売されている。
同作の舞台は、サンタクロースが会社化された「サンタ・カンパニー」。親からの依頼を受け、「サンタ部」「プレゼント部」「トナカイ部」の3つの部署が共同し、クリスマスイブに子どもたちにプレゼントを届ける。物語では、11歳の少女ノエルがサンタクロースの会社に迷い込み、サンタ・カンパニーで働く子どもたち「トントゥ」と冒険しながら成長していく。作は福島直浩さん、原案は糸曽賢志さん、絵は左さん。価格は683円。
書籍の販売に合わせ、12月25日まで、アイスクリーム店「コールド・ストーン・クリーマリー」とのタイアップで、小説に付属している「サンタ・カンパニー」の社員証を全国のコールドストーン店舗で提示すると、アイスクリームの10%サービスが受けられる。
糸曽さんは、高等学校、大学在学中より週刊少年ジャンプの編集者の協力のもと、読切漫画を多数執筆。東小金井村塾で宮崎駿監督に師事し、商業アニメーション制作に携わる。2006年8月に映像制作スタジオ「KENJI STUDIO」(町田市)を設立し、オリジナル作品の企画開発、産学連携ビジネスを開始。現在は、アニメーション、実写映像、ミュージッククリップなどの企画・演出・制作・プロデュースを行う傍ら、大阪成蹊大学教授、早稲田大学招へい研究員を務める。オリジナル作品の短編アニメ「コルボッコロ」はCMTアワード2011で大賞、国際賞をダブル受賞した。
同小説は、フィンランドのユルキ・カタイネン首相やフィンランド大使館の応援も受け、来年の劇場公開(ユナイテッド・シネマ系劇場ほか)に向けて企画を進めている。フィンランド大使館公式ツイッター(@FinEmbTokyo)のアイコンには、糸曽さんがデザインしたキャラクター「フィンたん」が採用されている。
糸曽さんは「サンタ・カンパニーは、10年以上あたためていたオリジナル企画。小説には、自分がサンタクロースを信じていたころの純粋な気持ちが入っていると思う。魔法は極力使わず、システム化社会やそこに関わる人々、経済効果を織り交ぜながら、今の時代にしっくりくるリアルな設定でクリスマスの物語を描いた。この小説がクリスマスを楽しんでもらえるきっかけになれば」と話している。