横浜トリエンナーレ組織委員会は横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3)で12月18日、現代美術の国際展「ヨコハマトリエンナーレ2014」の第1回記者会見を開き、開催概要とアーティスティック・ディレクターについて発表した。
アーティスティック・ディレクターに就任した美術家の森村泰昌さん
横浜トリエンナーレは、2001年にスタートした現代美術の国際展覧会。第2回展は2005年開催、第3回展は2008年。第4回展は2011年に開催され、国内外の現代美術作家77組(79人)のアーティストが参加し、2011年8月6日~11月6日の83日間の会期中に30万人以上が来場した。
第5回展となる「ヨコハマトリエンナーレ2014」の会期は2014年8月上旬~11月上旬。主会場は横浜美術館と新港ピア(新港ふ頭展示施設)。主催は横浜市、(公財)横浜市芸術文化振興財団、NHK、朝日新聞社、横浜トリエンナーレ組織委員会。アーティスティック・ディレクターには、美術家の森村泰昌さんが就任した。森村さんは「自画像的作品」をテーマに、美術史上の名画や往年の映画女優、20世紀の偉人たちなどに扮(ふん)した写真や映像作品を制作している。
記者会見には、森村さんのほか、横浜美術館館長で横浜トリエンナーレ組織委員会委員長の逢坂恵理子さん、横浜トリエンナーレ組織委員会事務局長の帆足亜紀さんが登壇。逢坂さんは「横浜トリエンナーレが担うべき役割は、アートを通してクリエイティブな視点を知り、世界や人を知ることに尽きるのではないかと思っている。世界的に活躍され、さまざまなジャンルと横断的、直接的に関わられている美術家の森村泰昌さんと共に、想定できない展覧会を仕立てていきたい」と抱負を語った。
森村さんは「これまで美術作品をひとつひとつコツコツつくってきたが、キュレーターとしては全くの素人。白紙からのスタートではあるが、わたしの中にある横浜への確実な愛情が、これから何かを構築する重要なパワーになると感じている」とあいさつ。
展覧会のイメージについては「いま何が流行しているかではなく、美術や社会、人間、文化にとって、いま何が大事であるかという点で、新鮮な提案をしたい。国際展ではその規模が話題にされることも多いが、大切なのはやはり質。いいチーム構成で臨み、開幕までの2年間のプロセスも皆さんに公開してゆきたいと思っている。今後は展覧会のコンセプトを試行錯誤し、早い段階で発表できれば」と語った。
横浜トリエンナーレサポーター事務局は、来年度に「トリエンナーレ学校 実践編」として、横浜のまちを航海するワークショップ「LOGBOOK 横浜」やレクチャー形式の「トリエンナーレ学校 vol.6」を開催する予定。