横浜ユーラシア文化館・横浜ユーラシア文化館(横浜市中区日本大通12)の中庭で、美術家丸山純子さんの作品「はなおくり」が公開されている。
横浜市の新市庁舎予定地に粉石けんで描いた作品「Utopia Totopia」(2011年)
丸山さんは、横浜を拠点に活動する美術家で、使用済レジ袋を用いて作った「無音花畑」(BankART1929、横浜ほか)や、横浜トリエンナーレ2011の連携プログラムとして巨大な花の地上絵を廃油粉石けんで描き続けたプロジェクト「Utopia Totopia」などで知られている。現在、アーティストや建築家などの共同オフィス「宇徳ビルヨンカイ」にアトリエを構えている。
「はなおくり」は、廃油で作られた粉石けんで描かれた花模様が、雨が降ることで消えてゆく作品で、作家が描き終わった後に自然の力により変化していく。中央アジアから日本へ連なる横断的な文化圏を扱う同館を意識して、中東のアラベスクやインドのコーラム、マンダラを思い起こさせるものとなっている。中庭で間近に見られるほか、館内各階のエレベーターホールからは、作品を上から見ることもできる。同館4階には丸山さんのこれまでの作品を紹介する展示コーナーも設置されている。
今回の作品公開は、3月15日に開館10周年を迎える横浜都市開発記念館と横浜ユーラシア文化館の「開館10周年感謝イベント」の一環。
丸山純子さんは作品について「この模様は、石けんの粉で打った点を放射状に広げながら描いた。花の構造やレース編み、マンダラなど、この1年ほどしてきたパターン研究がベースになっている。生命や宇宙物理学への関心ともつながるもの」と話している。
両館は、3月9日と10日は入場料無料で開館し、モンゴルの移動式住居「ゲル」の展示や馬頭琴の演奏会、パントマイム、街頭紙芝居のほか、写真展「プレイバック大洋・横浜」や、開館後の10年間を振り返るパネル展など多数のプログラムが行われる。
開館時間9時30分~17時。入館料は一般200円、小・中学生100円(中庭の作品観覧、9日・10日は無料)。月曜休館。公開は3月10日まで。