横浜能楽堂(横浜市西区紅葉ヶ丘27-2)は3月16日、障がいを持つ人々に向けてさまざまなサポートを施した公演「バリアフリー能」を開催する。
同公演は、多様なサポートを用意することで、障がい者にも気軽に能や狂言を楽しんでもらうことを目的とした企画。2002年から開催しており、今回で12回目。
演目は、太郎冠者が鎌倉中の鐘の音を聞いて回る様がおもしろい狂言「鐘の音」と、山伏が鬼神に出会い、天界から地獄の底までを映す鏡を見せてもらう能「野守」。
サポートは点字ちらし・パンフレット、メールパンフレット、詞章(台本)の配布、触わることのできる能面展示、能舞台の触図などのほか、公演中の視覚障がい者向け副音声、解説時手話通訳、解説時パソコン通訳などが用意されている。また、車いす向け駐車場や介助者無料のサポートも。3月3日には、視覚障がい者向けに能舞台を案内する施設見学会も開催した。
また、今年度初の試みとして、聴覚障がい向けにiPadやプレイステーションポータブルなどの再生機器による字幕の配信も行う。公演中は各席に設置された再生機器の画面に、舞台の口上に合わせた字幕が流れる。字幕配信は座席限定のため、事前申込が必要。また、持参の再生機器には対応しない。
横浜能楽堂の石川泰菜さんは「毎年改善を重ねているバリアフリー能。障がいの有無を超えて、多くの人に楽しんでいただいている。今年は手元での字幕配信という新しい試みも用意したので、ぜひご利用いただければ」と話している。
開場は13時、開演時間は14時~16時20分。入場料はS席4,000円、A席3,500円、B席3,000円。詳細はホームページから。