三菱みなとみらい技術館(横浜市西区みなとみらい3)で、「進水記念絵葉書」展が開催されている。
同展では、かつて「三菱重工横浜造船所」があったみなとみらい地区で、同社が1929年の氷川丸進水式や秩父丸進水式などの際に作成した進水記念絵葉書を展示。進水記念絵葉書とは、船舶の完成の際に行われる進水式で、記念に配布される絵葉書のこと。デザイン性の高いものや資料価値の高いものも多い。
「三菱重工横浜造船所」は1891年設立の造船所「横浜船渠(せんきょ)」を、当時の三菱重工業が吸収合併することで生まれた造船所。1979年に造船事業から撤退するまで、貨客船や貨物船、漁船など計738隻を製作している。
今回の展示では、昭和に活躍した「氷川丸」や「秩父丸」の客船、貨物船やタンカーなど、さまざまな船の絵葉書を約150点展示する。
展示のきっかけになったのは、海事関係者限定で販売された写真集「絵葉書が語る三菱横浜の船造り」(2012年発行)。多くの進水記念絵葉書の情報が寄せられ、今回の展示につながった。
同館スタッフの冨山由紀さんは「三菱みなとみらい技術館では、三菱重工が手掛けた船の精巧な模型なども展示している。絵葉書展から伝わる船造りの歴史と、その技術の積み重ねを感じとってほしい。船に詳しくない方でも、デザインとして楽しめる絵葉書をぜひ見に来てほしい」と話している。
開館時間は10時~17時(入館は16時30分まで)。入館料は大人500円、中高生300円、小学生200円。「進水記念絵葉書展」は9月8日まで。