インスタントラーメンの開発の歴史や製造過程が学べる体験型食育施設「カップヌードルミュージアム」(正式名称・安藤百福発明記念館、横浜市中区新港2)の筒井之隆館長を招き5月17日、シェアオフィス「さくらWORKS<関内>」(中区相生町3)で「ラボ図書環オーサートークVol.7『転んでもただでは起きるな!』」が開催される。
安藤さんの7回忌にあたる2013年3月5日に出版された「転んでもただでは起きるな!-定本・安藤百福」(中央公論新社)の編集に携わった筒井さんから、挫折を繰り返しながらも新しい食を創造する情熱を決して失わなかった安藤さんの「粘り強さ」の秘密、そこから次世代の日本人が汲み取るべきメッセージについて話を聞く。
同書は、同記念館が初めて編者として出版した本。安藤さんの生き方・発言録についてはこれまで、2007年01月に96歳で亡くなった際、社葬の参列者向けに冊子にまとめられていた。
今回の本は、節目の7回忌を記念してこの冊子を大幅に改編した。「ものづくりに対する姿勢と情熱を、創業者の言葉できちんと伝えたい」と編集に着手した。伝記・年頭所感・完全年譜・著書一覧などを簡潔にまとめ、世界の食文化に大きなインパクトを与えた安藤さんの軌跡がこの1冊でわかる構成となっている。
オーサーズトークに登場する筒井さんは、読売新聞社で勤務していた時に、仕事を通じて知己を得た安藤さんに引き抜かれ、日清食品に移籍した経歴を持つ。その後、マーケティング部長・宣伝部長・広報部長、取締役・常務を歴任。その間、一貫して安藤さんの側近として発言を聞き、まとめ、発信する立場にあった。
今回のトークでは、「定本」で紹介されている「安藤百福伝」の中から、次々に降りかかる苦難にも開発をあきらめず、寝食を惜しんで新しいラーメンづくりに没頭した安藤さんの情熱の秘密、独特の創造のスタイルなどについて、エピソードや語録を紹介する。
筒井さんは「インスタントラーメン開発に成功したのは、創業者(=安藤さん)が48歳の時。始めるのに遅過ぎることはないということをまず、伝えたい。そして本のタイトル『転んでもただでは起きるな』は口ぐせで、『そこら辺の土でもつかんでこい』という言葉が続きます。経済状況が厳しい時代ですが、無一文になっても、前に進む勇気を持ってテーマに取り組み、アイデアとチャンスに巡り会うまであきらめなかった安藤百福の生き方を知って、元気を出してもらえたら」と話している。
当日は18時開場・18時半開始。参加費は1,000円(ドリンク付)。詳細、申込みはフェイスブックのイベントページで。
「ラボ図書環オーサートーク」は、NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボが主催するトークイベント。横浜ゆかりの「本」にフォーカスし、その著者や編者を招き、テーマや編集過程のエピソードについて話を聞く企画で、これまで6回開催されている。