横浜市と富士ゼロックスは7月11日、同社R&Dスクエア(西区みなとみらい6)で「政策の創造と協働のための『横浜会議』×フューチャーセッション~超高齢・人口減少社会の郊外のまちづくりを農的空間から考える~」を共同で開催した。
企業・NPO・行政など、異なるセクターの参加者約80人は、自然とのコミュニケーションを基盤とする農的な実践がまちづくりや教育に果たす役割などについて、活発に議論を展開した。
「横浜会議」は、市民・企業・研究者・行政など、多様な主体が協働しつつ、横浜が抱える政策課題を調査し、対話を通じてよりニーズに合致した政策をつくろうと、横浜市が2004年に設置したしくみ。
ここ数年、具体的なフォーラム開催などが少なくなっていたが、横浜市で2012年後半から、行政情報を民間が活用しやすい形で整備し、具体的な地域活性化などに生かす「オープンデータ」に取り組む機運が高まり、その活用の一つの場として「横浜会議」が見直されることになった。
今回、富士ゼロックスが場所と対話を深めるためのデジタルツールを提供するなど、会議自体も企業と協働する形で開催した。
会議の冒頭、2013年3月まで同市政策局政策課主席研究員だった中川久美子さんが「横浜市における農的空間の可能性について」と題して提言した。続いて、尾上伸一さん(市立飯島小学校校長)、岩本真実さん(NPO法人ヒューマンフェローシップ理事)、榎正晴さん(SELP・杜施設長)の3人が、教育・若者支援・福祉と食という切り口で、「農的空間」の価値について報告した。
さらに、対話の場である「フューチャーセッション」では、これからのまちづくりに「農」を生かす視点などについてグループでの議論が展開された。
今回の会議を企画した同市政策局政策支援センターの関口昌幸さんは「横浜会議という具体的なしくみを、オープンデータの動きとからめながら効果的に運用し、今後も高齢化社会・若者の雇用・子育て支援などさまざまな政策課題を多様なセクターとともに考え、横浜のまちづくりに生かしていきたい」と話している。