横浜ランドマークタワーのドックヤードガーデン(横浜市西区みなとみらい2)で7月16日、横浜ランドマークタワー開業20周年を記念して、壁面を使った空間演出「180度体感型プロジェクションマッピング」がスタートした。
横浜の本格的キャバレーを描いた1シーン(YOKOHAMA ODYSSEY)
プロジェクションマッピングは、プロジェクターを使って空間と映像を合成する空間演出の手法。かつて造船所のドックとして使われていたドックヤードガーデンの独特の形状を生かし、高さ約10メートル、横幅約29メートルの船型の石壁に沿って映像を投影する。
第1弾の映像テーマは「YOKOHAMA ODYSSEY(ヨコハマ オデッセイ)」。ドックヤード全体をひとつの船にみたて、黒船来航から文明開化、高度経済成長時代を経て現代まで、横浜を舞台に描いたタイムトリップ・アドベンチャーを展開する。上映時間は約7分。
プログラムの構成シーンは、1854年ペリー提督の横浜上陸、日本の吹奏楽のはじまりといわれる吹奏楽団、日本に現存する最古の石造りドックヤード、横浜三吉町(現・南区万世町)に日本初の石けん製造所が創業したことに由来する「しゃぼん玉」、1872年に横浜~新橋間を結んだ日本初の鉄道開通、1872年に大江橋から馬車道、本町通りにかけて設置された日本初のガス灯、1834年に日本で最初に開業されたと言われる横浜の本格的キャバレー、みなとみらい21地区に1993年に開業した超高層ビル「横浜ランドマークタワー」など。
プロジェクションマッピング 映像ディレクターの東弘明さんは「180度の体感型プロジェクションマッピングも、視界によっては300度の世界を見渡せる。制作の上でドックヤードの色と複雑な形状には苦労したが、このプロジェクションマッピングが皆さんに愛されるコンテンツになればうれしい」と話している。
投影開始時間は、19時30分、20時10分、20時50分、21時30分、22時10分。各回定員は500人で、3階スカイガーデン入口で整理券を配布する。入場無料。発券方法や休止日など詳細はホームページで。第2弾は11月公開予定。
7月16日には、ドックヤードガーデン地下1階・2階に「夜の賑わい」と「食のエンタテインメントゾーンの創出」をコンセプトとする飲食店街「みらい横丁」も同時オープン。世界50カ国250種類以上のビールが味わえる「世界のビール博物館 横浜店」や、海鮮食堂と洋食レストランを備えた「海鮮食飲市場 マルカミ食堂」など、神奈川県内初出店を含む12店舗が営業している。
ドックヤードガーデンは、日本に現存する商船用石造りドックとしては最も古い旧横浜船渠(せんきょ)第2号ドックを復元したコミュニケーションスペースで、1997年に国の重要文化財に指定されている。