ユーザー参加による研究を進める「ニコニコ学会β実行委員会」は、展示・プレゼンイベント「夏の自由研究」を8月18日、シェアオフィス「さくらWORKS<関内>」(横浜市中区相生町3)で開催する。
これまで同学会が行ってきた4回のシンポジウムで発表された作品について「実際に見て、じっくりと動作を観察できる展示会を開いてほしい」という声にこたえて企画され、研究者と生活者の視点が融合したユニークな21の発表者の作品が展示・実演される。出展者は、大学の研究者からものづくり主婦までさまざま。21日から横浜で始まる「世界ファブラボ代表者会議」のプレイベントとして開催する。
「チームラボMake部」や、8月26日に正式にオープンする「ファブラボ関内」、物体スキャンニングから3Dプリンターでの出力までの手法を紹介する「Dai & AO」などの5団体は、3次元プリンターやレーザーカッターなど「ファブラボ」で使われるデジタル工作機械を使った出展を行う。また、「電子楽器ウダー」や2015年末までに月面探査を目指す「月面探査ローバー」のプロトタイプなど「開発者自身がほしいもの、あったらいいもの」を、さまざまな工夫を凝らして開発したユニークな作品が展示される。プレゼンテーションエリアでは、13時から15時20分まで、7チームが各20分間で自作について発表する。開催時間は11時~16時。入場料は無料。
同学会事務局長の岡本真さんは「いずれの出展作品も、従来であれば、企業が力を入れて開発してきたレベルのものばかりです。この学会の特徴である『ユーザー参加型』の視点を生かし、単に製品を使う側に留まるのではなく、個人がモノそのものを作り出しているパワーに注目してほしい」と話している。
ニコニコ学会βは、2011年11月に研究者などにより設立された「ニコニコ研究会」を前身とし、動画や音楽などの作品をインターネット上に公開・共有する「ユーザー参加型コンテンツ」にならい、研究者・企業・ユーザーが有機的に連携する「ユーザー参加型研究」を推進する活動を行っている。研究者が次々と研究成果を発表する「研究100連発」や、プロ・アマ問わず、広く研究成果を公募する「野生の研究者」セッションなどが人気を博している。独創性や実力が高い人達が集まり、科学を専門家のみならず、一般の人々に広げる参加型の活動デザインであることが評価され、2012年度「グッドデザイン賞」を受賞している。