象の鼻テラス(横浜市中区海岸通1)で8月9日から、アーティスト・さとうりささんの個展「宇宙船”かりぬい”」が開催されている。
同展は、クリエイティブな街づくりを推進する世界各地の港町と文化交流を図る「ポート・ジャーニー・プロジェクト」の一環。さとうさんが自ら縫った宇宙船「かりぬい」と宇宙船作りのスケッチ、今年5月に約2週間滞在したオーストラリア・メルボルンで撮影したドキュメンテーション映像を展示・上映する。
会期中は、子ども向けワークショップ「紙宇宙風船をつくろう」 を行ったほか、土曜・日曜の14時~16時は宇宙船の内部に入ることができる。
さとうさんは、1972年東京生まれ。作品と共に街に出る「りさ・キャンペーン」を国内外で実施し、黄金町バザール(2011年)など各地で大型の屋外作品も数多く制作してきた。現在「ハンマーヘッドスタジオ 新・港区」(中区)を拠点に活動している。
メルボルンでは、宇宙船「かりぬい」と共にギャラリースペースや美術大学、路地裏、ビルの屋上などメルボルンの市内外12カ所で撮影を実施。現地のアーティストが運営するスペース「West Space」で、5月17日~6月8日まで個展を行った。
9日のトークイベントでは、「West Space」のディレクター、ダニー・レーシーさんもビデオ通話でゲスト参加。さとうさんの作品について「グラフィティのある所でも、きれいな所でも、どのような場所で見ても通用するものがある。良いプロジェクトになったと思う」とコメントした。
開館時間は10時~18時。入場無料。9月4日まで。
1986年より横浜と港間の貿易協力提携を結んでいるメルボルンからは、2011年に「ポート・ジャーニー・プロジェクト」最初の交流としてインディペンデント・キュレーターのザラ・スタンホープさんが来日。スタンホープさんのコーディネートで、2012年にはアーティストのプルー・クロームさんが日本初個展を開催した。今回の会期に合わせ、横浜・メルボルンの交流をまとめたドキュメント・ブックも発行している。