横浜市の都心臨海部で10月12日から、電池推進船「らいちょう?」による水上交通の社会実験が行われる。乗船した市民に意見を求め、環境にやさしい水上交通の実現に向けた検討を進めていく。
電池推進船は、排気ガスや二酸化炭素を出さず、騒音や振動が少ないことが特徴で、電気自動車と同じ急速充電システムで充電できるリチウムイオン電池を搭載。30~40分という短い充電時間で運航が可能となる。
今回使われるのは東京海洋大学(東京都江東区)が開発した「らいちょう?」で、定員は乗組員2人、旅客10人。定期便に近い形で運航するのは初めてという。
運航するのは、象の鼻パーク(中区海岸通1)~大岡川桜桟橋(中区日ノ出町2)、大岡川桜桟橋~ぷかりさん橋(西区みなとみらい1)、ぷかりさん橋~階段護岸/みなとみらい大橋下(西区高島1)の3ルート。午前1便・午後1便の1日2便を運航する(荒天時は欠航)。象の鼻パークに充電設備を設置し、1日2回充電する。
初日の12日には、関連イベントとして「第1回横浜運河パレード」を開催。SUP(スタンドアップ・パドル・サーフィン)、シーカヤック、Eボート、プレジャーボードなどが船団を組んで11時に大岡川桜桟橋を出発し、中村川と堀川を周遊する。
社会実験の実施主体は、大岡川川の駅運営委員会、NPO法人「HamaBridge濱橋会」、京浜フェリーボート、東京ベイガード、横浜市で構成される「よこはま都心部水上交通実行委員会」(小林直樹委員長)。横浜駅周辺地区、みなとみらい21地区、関内・関外地区の河川や内港地区をつなぎ、海上の回遊性を高めることと、にぎわいを創出することを目的に、10月20日までの9日間実施する。
横浜市都心再生部都心再生課地域再生まちづくり担当課長の村上実さんは「電池推進船が首都圏で初めて横浜を走る。川から見た街の風景を楽しみながら、電池推進船の乗り心地を楽しんでいただきたい。ルートや値段設定など、皆さんの意見をもとに、今後の横浜の水上交通の本格実施に向けた検討をするので、ぜひ積極的に参加してもらいたい」と話している。
同実行委員会では、実施期間中に乗船し、アンケートに協力する市民を募集している。参加費は無料。申し込みは往復はがきで10月7日必着(1枚で4人まで応募可)。問い合わせは横浜市都市整備局都心再生課よこはま都心部水上交通実行委員会事務局(TEL 045-671-4247)。