三溪園(横浜市中区本牧三之谷58)で10月14日から、「初秋の古建築公開」が行われる。紀州徳川家の別荘建築であった江戸時代初期の建物「臨春閣」の内部を紹介する。
臨春閣(1649年建築)は、三溪園・内苑の景観の中心をなす国指定重要文化財。紀州徳川家初代藩主・頼宣(よりのぶ)が別荘として和歌山の紀ノ川沿いに建てた数寄屋風書院造りの建築として知られている。
3つの棟を雁行形(がんこうがた)に配した外観とともに、内部にも、第三屋「天楽の間」にみられる欄間(らんま)、狩野派によるふすま絵など、同じ江戸時代初期に造られた京都の桂離宮にも似通う、洗練された数寄の意匠を見ることができる。今回の公開では、臨春閣の内部の意匠にスポットをあて、その魅力を紹介する。2階部分は建物保存のため、公開はなし。
園内の三溪記念館(第3展示室)では、第23回三溪園フォトコンテスト「季節の彩り」の入賞作品展を、10月27日まで開催。小林成行「臨春閣公開記念」(推薦)のほか、神蔵和明「白い祝日」・田中敏夫「飛ぶ」(以上「特選」)、中田達男「甍の波」・永由京子「夏の思い出~蓮葉のシャワー」・ 永由武「東慶寺秋彩」(以上「入選」)など、応募465点の中から選ばれた受賞作46点を展示している。
三溪園 広報担当の吉川利一さんは「初秋のこの時期に古建築を公開するのは今回が初めて。陽気のよい時期にじっくり見学したいという、皆様からのご要望を受けての企画。貴重な江戸時代のデザインの数々をこの機会にお楽しみいただければ」と話している。
公開時間は9時~16時30分(開園時間は9時~17時)。入園料は大人500円、市外65歳以上500円、小学生200円。入園料で鑑賞できる。10月20日まで。