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寿町でアートとまちの関わりを見つめ直す「コトブキ編集塾」ー参加者を募集

日本有数の簡易宿泊所街となった寿地区の歴史を説明する山本薫子・首都大学東京准教授(左端)

日本有数の簡易宿泊所街となった寿地区の歴史を説明する山本薫子・首都大学東京准教授(左端)

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 寿オルタナティブ・ネットワークは10月20日、アジアビル425号室(横浜市中区寿町3)で「コトブキ編集塾」第4回「アートプロジェクトの『ドキュメント』とは」を開催する。編集者・影山裕樹さんを招き、レクチャーと参加者による意見交換を展開する。

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 寿地区は、JR石川町駅にほど近い、横浜市中区寿町・松影町付近の約6ヘクタールの地域。第2次世界大戦後、10年にわたって米軍に接収されたが、返還後に簡易宿泊所(通称・ドヤ)が次々と建築され、横浜港で仕事をする男性たちが住む「日雇いの町」として有名になった。現在は、簡易宿泊所で暮らす住民の高齢化率が60%を超えた「福祉の町」となっている。

 「寿オルタナティブ・ネットワーク」は、アートディレクターや編集者、公務員らが2008年に結成した任意団体。多様な担い手による創造的な活動によって、寿地区の価値を見いだしながら、人と人、街と人とをつなげる試みを展開してきた。

 今回の「コトブキ編集塾」は、同ネットワークが事務局を務めるプロジェクトの一つ「KOTOBUKIクリエイティブアクション」の一環として行われている。この「アクション」は、カップ酒の空き瓶を利用したキャンドルナイト「寿灯祭」、アーティスト主導のレジデンスプロジェクト「寿合宿」などさまざまな企画を複合したアートプロジェクト。

 いずれも寿地区の人や建物の歴史をアーティストが読み解いて作品に昇華したり、編集者らがイベントを記録・整理・発信して地域の外に寿地区の価値を伝えたりと、多様なプレイヤーが個性的な取り組みを続けてきた。

 今回の「編集塾」は、まちの変化を振り返りながら、今年6年目を迎えた「アクション」のエッセンスを再編集し、価値を伝える広報ツールやドキュメントの制作に取り組む「コトブキ編集部」を開始する機にあわせて、新たな「部員」を募るために企画された。

 今回の講師となる影山さんは、2013年9月21日から11月24日まで青森県で開催中の「十和田奥入瀬芸術祭 SURVIVE」のエディトリアル・ディレクションを担当するなど、アートイベント・プログラムを編集という手法で、人々に届くかたちで発信し、蓄積してきた。

 コトブキ編集塾では、編集に関する知識を深めるシリーズのほか、寿という地域そのものを理解するレクチャーも行っている。10月13日に開催された講義では、簡易宿泊所(ドヤ)が集積する横浜市中区の「寿地区」を、1996年から研究している首都大学東京都市環境科学研究科准教授の山本薫子さんを招き、寿地区の歴史と今後について認識を深めた。

 山本さんは、豊富な文献とフィールド調査によって史実を丁寧に紹介しながら、横浜大空襲や戦後の米軍接収によって大きな影響を受けた寿地区の成り立ちと変遷を説明。また、比較研究しているカナダ・ブリティッシュ・コロンビア州の都市・バンクーバーの「ソーシャルハウジング」についても言及した。

 山本さんは「寿地区では、保健・福祉をはじめとする約30の団体が活動しており、高齢や障害、そして孤独や貧困の中にいる人を引き受ける最後のセーフティネットとして、まちが機能している。課題集積地域だからこそ、解決に向けた多様な力や知恵も蓄積されている」と、まちの潜在力について話していた。

 総合プロデューサーの河原一満さんは「2011年~2013年の活動を振り返り、まとめていく編集・制作を進めるメンバーを募っている。そうした方々とともに、このプロジェクト自体の価値もまた、整理し編集・発信していくことができれば」と話している。

 開催時間は13時30分~15時30分。参加費は1,000円。編集塾は今後、2014年3月まで不定期に学びの場を開講する予定。

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