横浜市のさまざまな調査・統計データを活用し、地域課題を解決するアイデアを考え、ビジネスプランを練り上げるオープンデータ活用プログラム「女性の視点×オープンデータで、アイデアの種を育てよう!」公開プレゼンテーションが12月7日、クイーンズスクエア横浜(横浜市西区みなとみらい2)クイーンズサークルで行われた。約2カ月・50時間以上にわたって、議論や調査を重ねて練り上げた4プランが発表され、空室率上昇に悩む郊外団地と女性の労働力活用を解決するアイデアが最優秀賞を受賞した。
この日、みなとみらい地区で行われた「横浜ウーマンビジネスフェスタ2013」(事務局・横浜市経済局)の一環。同フェスタ実行委員会が主催し、横浜オープンデータソリューション発展委員会が共催した。
オープンデータは、主として行政機関が情報をデータ処理・再利用可能な形式で公開すること。透明性を高めることで市民との信頼性を築いたり、アプリやウェブサービス開発によって地域経済を活性化したりするメリットがあり、国もさまざまな施策に着手し始めている。横浜市内でも、金沢区が子育て情報をオープンデータ化したウェブサービス「かなざわ育なび.net」をスタートさせたり、観光関連データ・横浜市立図書館のデータを活用したアイデアソン・ハッカソンが行われたりと、活発になりつつある。
今回の事業は、「オープンデータ」の考え方を地域で活動・起業する女性に普及・啓発する目的で実施された。公募で集まったのは、NPO法人、SE、デザイナー、アナリストなど多様な分野の女性たち。9月末の「フューチャーセッション」を皮切りに、10月中旬の「アイデアソン」で出たアイデアを、11月の「ブラッシュアップセッション」(4回)で練り上げた。
公開プレゼンテーションに臨んだのは「『ボラ婚』~恋愛は地球を救う~」「シニア女性の派遣ワークス」「モンスターハンターよこはま~ギルドによるコミュニティ」「安×住×働(anjyudo)~安心し、住みながら働ける在宅ワークキューブ ~」の4チーム13人。いずれも「少子化」「単身世帯増」「女性の就労」「郊外団地の空き室」など、横浜市の重要な地域課題について、データを活用したプランを作成した。
最優秀賞に選ばれた「在宅ワークキューブ」チームメンバー4人には、横浜市と連携協定を締結し、このプロジェクトにも協賛している日本マイクロソフトからタブレット端末が送られた。審査員の1人で、同社の官公庁事業本部長代理の田島定尚さんは「女性たちの経験や視点を生かしつつ、データに裏打ちされたプレゼンテーションは素晴らしかった。提案を実現していくために、わたしたちも今後も技術的なサポート中心に様々な支援をして行きます」と話し、女性たちの2カ月にわたる取り組みを賞賛していた。
このほか、フェスタでは林文子市長の応援メッセージ、ディー・エヌ・エー(DeNA) 取締役でファウンダー南場智子さんによる特別講演などが行われ、会場周辺は元気な女性たちで終日にぎわっていた。