三溪園(横浜市中区本牧三之谷58)で、春の息吹を感じる「観梅会」が開催されている。
観梅会は、1908年に同園の創設者・原三溪が梅林の完成を祝い知人を招いたのが始まりで、第2次大戦中に梅林が大きな被害を受けた後、地元町内会などの協力を得て、1975年から再スタートした。
園内には、日本画家・下村観山による屏風絵「弱法師(よろぼし)」(東京国立博物館所蔵、重要文化財)のモデルとなったことで知られる、竜が地をはうような枝ぶりの「臥竜梅(がりょうばい)」、横浜市の友好都市の中国・上海市から贈られた、花弁の下にある萼(がく)が緑色の「緑萼梅(りょくがくばい)」などの珍しい種類を含め約600本の梅の木が植えられている。梅の見頃は梅の種類により異なる。
期間中は初音茶屋で古釜で沸かした温かい麦茶を振る舞うほか、梅などの盆栽展(2月23日まで)、横濱本牧囃子連によるお囃子(2月22日)、俳句大会と梅の苗木プレゼント(2月23日)、太郎次郎一門「猿まわし」(3月1日・8日・9日)、ワークショップ「紙でお雛様をつくろう!」(3月2日)を実施する。
園内にある江戸時代後期の古民家「旧矢箆原家住宅」では、桃の節句のシーズンに合わせ、展示「合掌造りで見る雛人形」(前期・後期)を開催している。
三溪園の広報担当の吉川利一さんは「園内の樹木整備の効果で、ここ2年ほどは梅の花のつきがよくなっている。大幅に開花が遅れた昨年に比べ、今年は例年並み。一番の見ごろは、天候にもよるが2月半ばから下旬ごろにかけてとなりそう」と話している。
開園時間は9時~17時(入園は閉園30分前まで)。入園料は大人500円(市内在住65歳以上無料)、小学生200円。観梅会は3月9日まで。