ヨコハマ創造都市センター(YCC、横浜市中区本町6)で2月26日、平成25年度創造都市ネットワーク会議 東アジア文化都市交流シンポジウム「文化芸術と都市の再生」が開催された。主催は横浜市立大学、文化庁、創造都市ネットワーク日本。
同シンポジウムは、東アジア文化都市に今年選定された中国・泉州市、韓国・光州広域市、横浜市の都市デザイン関係者が、文化芸術を都市の再生へと結びつけていくための知識と経験を共有し、日中韓の相互理解を深め、都市間交流の可能性について対話することを目的に開催。
泉州市城市規画設計研究院・副院長の王敏さんは、「泉州人の生活文化及び古城保全」と題し、古城に代表される伝統的資産と新しいものを融合させた事例を紹介。また、光州広域市都市デザイン局都市デザイン課の姜權さんは「文化都市光州」のアートイベント「光州ビエンナーレ」や「デザインコリア」などの大型イベントの事例や、緑の道と呼ばれる廃線跡を活用した都市再生の取り組みを紹介した。
横浜市文化観光局横浜魅力づくり室室長の松村岳利さんが「創造都市横浜と東アジア文化都市」と題し、横浜における都市デザインの系譜や、ヨコハマトリエンナーレや黄金町バザール等の創造都市施策などが紹介された。また、東アジア文化都市2014横浜における取組みや、2020年東京オリンピックに向けてアジアの文化ハブを目指していくと話した。
同シンポジウムのモデレーターを務めた横浜市立大学の鈴木伸治教授は「昨年冬に泉州市・光州広域市を訪れる機会があった。大規模でスピーディーに創造都市施策が展開されており、非常に刺激を受けた。これを機に2都市の関係者と共に、まちをどう作っていくか具体的なアイデアの交換を続けていきたい」と話した。
東アジア文化都市は、日中韓の3カ国で行う文化交流事業で2014年2月にスタートした。2015年以降は、3カ国から各国文化大臣会合での合意に基づき、文化芸術による発展を目指す都市を毎年1つ選定。東アジア域内の相互理解・連帯感の形成の促進や、文化芸術・クリエイティブ産業・観光の振興を目的に、芸術文化や伝統文化などに関するイベントなどを実施していく。