横浜市内で8月1日、現代アートの国際展「ヨコハマトリエンナーレ2014」が開幕する。
ヴィム・デルボア《Flatbed Trailer》2007©Studio Wim Delvoye, Belgium Courtesy of MONA, Australia
横浜トリエンナーレは、横浜市で3年に一度行われる現代アートの国際展。2001年に第1回展を開催、今回で第5回展を迎える。主会場は横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3)と新港ピア(新港ふ頭展示施設、中区新港2)。日中韓3カ国で今年から新たにスタートした「東アジア文化都市」の特別事業としても位置づけられている。会期は、8月1日~11月3日(第1・第3木曜休場、開場日数計89日間)。
第5回展は、美術家の森村泰昌さんがアーティスティック・ディレクターを務め、「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」というタイトルのもと、19の国と地域から65組(団体)のアーティストの作品を展示する。
参加作家と団体は、マイケル・ランディさん(イギリス)、メルヴィン・モティさん(オランダ)、グレゴール・シュナイダーさん(ドイツ)、高山明さん、和田昌宏さん、やなぎみわさん、NPO法人「こえとことばとこころの部屋(ココルーム)」(大阪府大阪市)が大阪・西成区釜ヶ崎で開校する「釜ケ崎芸術大学」。
ギムホンソックさん(韓国)、ジョシュ・スミスさん(アメリカ)、イライアス・ハンセンさん(アメリカ)、メルヴィン・モティさん(オランダ)、アクラム・ザタリさん(レバノン)、木村浩さん、福岡道雄さん、土田ヒロミさん、松井智恵さん、葛西絵里香さん、大竹伸朗さん、日埜直彦さんほか。アンディ・ウォーホル(アメリカ)やピエール・モリニエ(フランス)、ジョゼフ・コーネル(アメリカ)、吉村益信ら物故作家も多く選出されている。
展示は、序章「世界の中心にはなにがある?」に始まり、全11の挿話で構成。森村さんは「ヨコハマトリエンナーレ2014は、人生のうっかりした忘れもの、人類の恒常的な忘れもの、現代という時代の特殊な忘れものを思い出すための、いわば『忘却巡り』の旅である」とコメントしている。
会期中は参加作家による「アーティスト・プロジェクト」として、同展のタイトル「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」の世界を体験できるレクチャーやトークイベント、映像プログラムなど多様なプログラムを開催。内容は、マイケル・ランディさんが出展する美術のためのゴミ箱《アート・ビン》に失敗作を投げ込む参加型プロジェクト、「赤い法廷」を舞台に行われるアートな裁判「Temporary Foundation『横浜トライアル』」、釜ヶ崎芸術大学による特別講座 「釜ヶ崎芸術大学 in ヨコトリ」、瞬間を記憶に刻む「トヨダヒトシ『映像日記/スライドショー』」など。
そのほか、創造界隈拠点連携プログラムとして、「BankART Life IV『東アジアの夢~続・朝鮮通信使の新たなる展開とランドマークプロジェクトV』」(BankART Studio NYK)、アートフェスティバル「仮想のコミュニティ アジア - 黄金町バザール2014」(初黄・日ノ出町地区)、障がい者と多様な分野のプロフェッショナルの協働から生まれる現代アートの国際アート展「ヨコハマ・パラトリエンナーレ2014」(象の鼻テラス)、急な坂スタジオのサポートアーティストが制作した映像作品を市内各所に展示する「急な坂スタジオ×マームとジプシー『歩行と移動』」(急な坂スタジオ)、日中韓の現代アートを展示した空間にアーティストがプロデュースするカフェ&ラウンジ「Find ASIA」(ヨコハマ創造都市センター)、象の鼻パーク(中区海岸通1)を中心とする横浜都心臨海部で開催するアートと光の祭典「スマートイルミネーション横浜2014」など、主会場周辺で多様なアートプログラムが展開される。
開場時間は10時~18時(8月9日、9月13日、10月11日、11月1日は20時まで)。チケットは一般=前売券1,400円・当日券1,800円、大学・専門学校生=前売券900円・当日券1,200円、高校生=前売券500円・当日券800円。創造界隈拠点連携プログラム(BankART Life IV・黄金町バザール2014)との連携セット券は各プラス600円。