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横浜のベンチャー企業が硬いアイスが食べやすいスプーンを開発-宇宙開発技術を応用

カーボングラファイト製のスペースマイスタースプーン

カーボングラファイト製のスペースマイスタースプーン

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 横浜のベンチャー企業「CSイノベーション」(横浜市中区山下町24)が、硬いアイスもさっとすくえて食べやすい宇宙開発技術を応用したアイスクリームスプーン「スペースマイスタースプーン」を開発した。

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 カーボングラファイト(高温焼成結晶化炭素素材)は、熱を伝えやすく拡散しやすい性質を持つ素材で、小惑星探査機「はやぶさ」にも用いられている。この素材を使って作られたスペースマイスタースプーンは、指が触れる部分からスプーンを通じて体温が素早くアイスに伝わり拡散することで、凍ったアイスも簡単にスプーンですくって食べることができる。

 形状は、カップアイスに付属の木製スプーンをモデルにした懐かしいデザイン。炭素素材なので黒い外観だが、金属ではないので、サビや変色の心配はない。

 氷にスプーンの先を当てると、触れた部分からどんどん氷を溶かして刺さっていくのが分る。熱拡散率が高いので持ち手はひやっとした冷たい感覚にまではならない。

 日本のものづくりの技術を生かし、厚さ約1.2ミリメートルに加工して、数日間超高温で焼き上げ、職人が1本、1本削り出しとコーティングを行なっているという。

 今までの注文の中で、病気の症状で諦めやすくなっている家族のために、アイスクリームが食べやすいスプーンをプレゼントしたいといったコメントが寄せられたこともあるという。熱を伝えやすく拡散しやすいという特性を生かせば、福祉や介護などの現場でも活躍する食器や調理器具への応用も考えられるという。

 CSイノベーションは、エンジニアリング商社出身の代表取締役筒井雅夫さんが2011年9月に設立。宇宙開発技術を活用して、放射線線量計、燃料電池を動力源としたUVA(無人航空機・Drone)、発泡スチロール製コンポストなどの開発、製造、販売を手がけている。

 筒井さんは「スペースマイスタースプーンは、カーボングラファイトの上で溶ける氷を見た女性社員の発案で商品化した。弊社は、宇宙開発技術に関する引き出しが多い。ものづくりの現場での課題解決に、もっと宇宙開発技術が応用されるよう提案していきたい」と話している。

 スペースマイスタースプーンは、CSイノベーションのオンラインショップで販売中。1本2,834円(税・送料別)。

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