中区若葉町の名画座「シネマ・ジャック&ベティ」(横浜市中区若葉町3)と周辺地域で8月23日から、「よこはま若葉町多文化映画祭」とアートイベント「横浜下町パラダイスまつり」が同時開催されている。
会期中は、タイ、中国、台湾、韓国などの飲食店や食材販売店が軒を連ね、30近い国々の人が暮らすと言われる中区・若葉町の映画館「ジャック&ベティ」と、アーティストによる非営利団体「ART LAB OVA(アートラボ・オーバ)」が映画館1階で運営しているアートスペース「横浜パラダイス会館」の2つの拠点を中心に、国際色豊かなさまざまなイベントが実施される。
若葉町周辺にゆかりのある国の映画を通じて身近な世界を考える「よこはま若葉町多文化映画祭」では、「ハーフ」の女性監督2人が撮影した「ハーフ/HAFU」(日本)、ブラジルのゴミ処理場で働く人々がアーティストと作ったゴミアート制作の記録「ヴィック・ムニーズ / ごみアートの奇跡」(イギリス・ブラジル)、強制収容所で家族を失い自らも児童労働を課せられた監督によるポルポト政権下のカンボジアを描く「消えた画クメール・ルージュの真実」「S21 クメール・ルージュの虐殺者たち」(フランス)、ファルージャ人質事件を描く「ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件…そして」(日本)、モンゴルで野球を教える日本人の自伝を映画化した「モンゴル野球青春記バクシャー」(日本)などを上映。監督や原作者との交流会なども用意する。
周辺のさまざまな商店やアーティストを巻き込んだ「横浜下町パラダイスまつり」は、横浜古典遊技場の乾信治先生による 「アジアの伝統遊戯具・古典遊戯であそぼう」、詩人の中村剛彦さんやアーティストの来島友幸さん、音楽家のスズキクリさんによる若葉町ツアー、「女装アオちゃんと大岡川のハゼ・ディナー」、ブラジル炭火焼肉「ガウシャ」の「シラスキーニョ」と「手作りポンデケージョ」や老舗仕出し弁当屋三代目うお時の「60年変わらない玉子焼き 頑固焼き」の販売など、さまざまなイベントを行う。
イベントを企画するART LAB OVA共同代表の蔭山ヅルさんは「映画を見ながら身近にいる外国の方々の人生と重ね合わせ、毎日映画とまちをつなぐいろいろな企画をしているので、ぜひ来てほしい」と話す。
映画祭入場料は作品による。詳細はホームページから。イベントは8月31日まで。