KAAT 神奈川芸術劇場(横浜市中区山下町281)で9月12日と13日、アヴィニョン演劇祭版の凱旋(がいせん)公演、SPAC-静岡県舞台芸術センター「マハーバーラタ~ナラ王の冒険~」が行われる。
今夏、南フランスの国際演劇祭「アヴィニョン演劇祭」で招へい公演されたSPAC(静岡県舞台芸術センター)「マハーバーラタ」の凱旋公演。インドの国民的大叙事詩「マハーバーラタ」に描かれた愛の物語を、絵巻物の世界さながらに演出した祝祭音楽劇になっている。KAAT神奈川芸術劇場とSPAC-静岡県舞台芸術センターの人材交流プロジェクトによる共同製作。
演出は、SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督の宮城聰さん。台本=久保田梓美さん。音楽=棚川寛子さん。空間構成=木津潤平さん。出演は、阿部一徳さん、赤松直美さん、石井萌水さん、大内米治さん、大高浩一さん、片岡佐知子さん、加藤幸夫さん、木内琴子さんほか。
同公演ではアヴィニョン公演の再現を試み、KAATホールの客席を取り払い、舞台上に客席を取り囲む仮設の円形舞台を設置する。また、12日の終演後には、KAAT神奈川芸術劇場アーティスティック・スーパーバイザーの白井晃さんと、SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督の宮城聰さんによるアフタートークショーを実施する。
KAAT神奈川芸術劇場の久田絢子さんは「宮城聰演出『マハーバーラタ』は、日本人の作品としては20年ぶりにアヴィニョン演劇祭の公式プログラムとして招へいされ、高い評価を得た作品。祝祭音楽劇の臨場感あふれる生演奏や、独創的な衣装、フランスで大きな話題を呼んだ壮大な舞台装置にも注目してほしい」と話している。
会場はKAAT神奈川芸術劇場・ホール。チケットは、一般=5,000円、U-24=2,500円、高校生以下=1,000円、65歳以上=4,500円。公演スケジュールは日程による。問い合わせは神奈川芸術劇場(TEL 0570-015-415:チケットかながわ)まで。
宮城聰さんは、2007年4月にSPAC芸術総監督に就任。自作の上演と並行して世界各地から現代社会を鋭く切り取った作品を次々と招へい、また、静岡の青少年に向けた新たな事業を展開し、「世界を見る窓」としての劇場づくりに力を注いでいる。代表作に「王女メデイア」「マハーバーラタ」「ペール・ギュント」など。2004年に第3回朝日舞台芸術賞、2005年に第2回アサヒビール芸術賞を受賞。