KAAT 神奈川芸術劇場アトリウム(横浜市中区山下町281)で、現代美術作家・曽谷朝絵さんのパブリックビューイング「浮かぶ」が開催されている。
曽谷朝絵さんは、透明感と色彩あふれる絵画やインスタレーション作品を制作する気鋭の現代美術作家。映像とジャンルにとらわれない活動を展開し、視覚だけでなく身体感覚を呼び起こす作家として知られている。
今回は都市型劇場「KAAT 神奈川芸術劇場」の公共空間を使用した展覧会。ガラスの壁面と吹き抜けが特徴的な劇場のエントランス機能を併せ持つアトリウム、アトリウム正面の壁をキャンパスに新作インスタレーションを展示する。
作品は、フィルムを素材に約20メートルの外壁ガラス面に施した光の水しぶき「Splash」、アトリウム正面の壁に投影する色彩の森をイメージしたアニメーション「宙(そら)」。
曽谷さんは「劇場をクリエーションの船ととらえ、横浜の海に浮かべた船が進水するイメージで『光の水しぶき』を制作した。自分の心の中にはいつも『創造の森』のように育っていく創造のエネルギー体があり、そのエネルギーそのものを作品として視覚化している。時間帯によって表情が変わる劇場アトリウムで、色々な場所から作品を楽しんでほしい」と話している。
会場はKAAT神奈川芸術劇場・アトリウム。開催時間は「Splash」=常時展示、「宙(そら)」=18時~21時。11月3日まで。
曽谷さんは、2006年に東京藝術大学大学院博士後期課程美術研究科で博士号取得。個展「宙色(そらいろ)」(2013年、水戸芸術館)をはじめ、全国の美術館やギャラリーで展覧会を開催。数々の受賞歴や公共空間での展示経験を持ち、2013年に「第62回横浜文化賞」文化・芸術奨励賞、「第62回神奈川文化賞」未来賞を受賞。現在、文化庁新進芸術家海外留学制度研修員としてニューヨークで制作活動を行っている。
野毛山動物園裏手の住宅街にあるアーティストの共同スタジオ兼住居「ヨコハマアパートメント」(西区西戸部2)では、10月3日から7日まで、ヨコハマトリエンナーレ2104応援プログラム「曽谷朝絵展@ヨコハマアパートメント」を開催。自然光が差し込む建物に「森のセカイ」をイメージした光のインスタレーションを展示する。