来年1月に開館40周年を迎える「神奈川県民ホール」(横浜市中区山下町3)が10月1日、約10カ月間の改修工事を終え、リニューアルオープンした。
神奈川県民ホールは、大・小のホール、ギャラリー、会議室を備えた公立文化施設として1975年1月17日に開館。以来39年間、県民の芸術鑑賞の場、文化活動の発表の場として、神奈川の芸術文化の振興を担ってきた。
これまで大・小ホールでは15,000回を超える催しが行われ、ギャラリーでは3,800の展覧会を開催。2012年には入場者数累計が2,500万人を突破し、開館時から現在まで80パーセント以上の施設稼働率を維持し続けている。2015年1月17日に開館40周年を迎える。
今回の改修では、施設の安全性と快適性を向上させたほか、スタッフの接遇研修も行い、ソフト面でもより一層の充実を図った。改修工事期間は2013年12月2日から2014年9月末の約10カ月間。主な改修箇所は、耐震補強、屋上防水、外壁補修、壁・天井の再塗装、階段手すり増設、大ホール1階座席レイアウト変更、カーペット張り替え、エレベーターの更新、女性トイレ増設、ドリンクサービスカウンター増設など。
10月5日は、大ホールでリニューアルオープン記念公演・マーラー交響曲第8番「千人の交響曲」を開催。神奈川フィルハーモニー管弦楽団、名誉指揮者に現田茂夫さんを迎え、日本を代表するソリスト陣、公募による県民ホール特別合唱団など総勢約700人が、マーラー自身が集大成と位置づけた「交響曲第8番」を披露する。
また、神奈川県民ホールギャラリーでは、10月5日から「第50回神奈川県美術展」(通称・県展)がスタート。神奈川県美術展「設立50周年記念図録アーカイブ」のホームページでは、第1回から49回まで全49回のカタログをデジタルアーカイブ化して公開している。
そのほか、神奈川県庁の渡り廊下では、神奈川県民ホールのこれまでの代表的な公演と展覧会のポスターを紹介する「ポスターで見る神奈川県民ホールの40年展」を10月8日まで開催する。展示ポスターは、二期会「蝶々夫人」(1975年)、ベルリン・ドイツ・オペラ「ニーベルングの指輪」(1987年)、ウィーン国立歌劇場「フィデリオ」(2008年)など県民ホール及びギャラリー主催・共催公演・展覧会より抜粋した28点。
神奈川県民ホールの松尾洋介さんは「神奈川県美術展のアーカイブは、これまでのカタログを全て読みこんだ見応えのある力作。第50回神奈川県美術展の開催に先立ち、神奈川県下最大の公募展として、また、若手アーティストの登竜門として長い歴史を持つ県展の歩みをご覧いただけたら」と話している。
神奈川県民ホールの受付時間は、9時~17時。休館日は12月28日~1月4日。