山下公園前のホテルニューグランド(横浜市中区山下町10)は10月3日から、40年ぶりに本館屋上「看板ネオン」の点灯を再開している。
看板ネオンは、東京五輪が開催された1964年に設置されたが、1973年の第1次オイルショックを受けて省エネのため点灯を中止。その後、白色のネオン管は取り外され、「HOTEL NEW GRAND」という13文字の枠組みだけを残していた。
今回、2020年の東京五輪に向けたホテル本館の大規模改修工事に合わせ、「横浜の象徴」ともいえる看板ネオンの再点灯を決定。クラシックホテルの雰囲気に合わせ、照明にはLED(発光ダイオード)ではなく、かつてと同じネオン管を採用している。看板文字は白色(縁は青色)で、ネオンサイン(縦約2.7×横約33.7メートル)は日暮れ時に自動点灯し、午前0時に消灯する。
山下公園周辺は、屋上への新たな看板設置が規制されているが、横浜市が今回特例として認めた。ホテルニューグランドは、関東大震災の4年後の1927年に開業。第2次大戦の戦災を免れた本館は、横浜市の歴史的建造物や国の近代化産業遺産として認定されている。
本館の耐震補強、看板ネオンの再開、京料理「熊魚菴たん熊北店」リニューアル、ウッドデッキ仕様によるデッキテラス新設など、本館第1期工事の総工費は約10億円。
同ホテル広報室支配人の和田聖心さんは「看板ネオンの再開に際してこだわったのは、創業当時のネオン色を大切にした、ノスタルジックで温かみある光。40年ぶりの山下公園前の景観を多くの方にご覧いただけたら」と話している。
同ホテルは12月1日、開業満87周年を記念した「横浜市民感謝DAY!!」を開催。記念講演「ホテルニューグランドと横浜 - その歴史と未来」をはじめ、本館の館内見学、ニューグランド伝統のヨコハマ洋食ビュッフェを用意する。対象は、横浜市内在住者及び在勤者。料金は3,500円。定員100人(抽選)。応募方法はハガキ郵送、10月末日締切。問い合わせは同ホテル営業企画(TEL 045-681-1841)まで。