関内駅近くの吉田町本通り沿いに12月1日、多目的コミュニティスペース「yoshidamachi Lily」(横浜市中区吉田町4)がオープンした。
音響・照明機材のほか楽器類も常設し、イベントのネット中継も可能
放送スタジオとライブハウス、バーの機能を併せ持つ90平方メートル、着席最大50席の店内には、音響・照明機材のほか、ドラムセット・ギターアンプ・ベースアンプ・キーボードなどの楽器類を常設している。フロアに併設された放送スタジオからはトークショーやライブの模様をインターネット中継で配信・収録することができる。施設2階には厨房(ちゅうぼう)を備えたバーカウンター8席もあり、2階単独でフードイベントなどにも利用できる。
「Lily」では、吉田町の魅力づくりに向けた取り組みをしながら、さまざまなイベント・展示・ライブ・演劇などの公演を行っていく。12月6日、7日はオープン記念展示として「吉田町名店顔」と題した吉田町周辺の店舗経営者の肖像写真展を開催する。1月9日・10日には、ジャズサックス奏者・梅津和時さんのライブが決定している。
「Lily」の運営は、季刊誌「hamajo」を編集するミリマリング・スタジオ(中区花咲町1)の藤崎健太郎さんが手掛ける。藤崎さんはこれまでに飲食店、ライブハウス、雑誌編集デザイナーなどを経験しており、今回の多目的コミュニティスペースは「これまでの職歴が役に立った」という。「hamajo」は「ヨコハマのオンナノコが自分たちでヨコハマのエンタテインメントを発信」をコンセプトにしたフリーペーパー。2012年の発刊から年4回発行している。これまでにモデルの女性たちのアイデアにより洋菓子店「ふらんすやま」とコラボレーションしたスイーツ「浜じょロール」の発売や、JOINUS The DIAMONDや横浜信用金庫とのコラボメディアの発行などで、横浜の地域活性化に取り組んでいる。
放送スタジオでは、写真や動画を背景にスクリーン上で合成することができ、野外や海外の都市などから中継しているようなシーンを演出することもできる。現在は、「hamajo」のトーク番組「ハマジョシカイ」を生放送配信している(毎週月曜19時30分から)。常設機材を使い、音楽のプロモーションビデオ撮影のほか、企業向けのeラーニング用映像や商品紹介映像の撮影、hamajoモデルの派遣、フライヤーや冊子など紙媒体の編集・デザインを併せたワンストップサービスの提供をしていく。
「Lily」は、経済産業省の「平成26年度地域商業自立促進事業」の助成を受けて開店準備をしてきた。吉田町本通りは、バーが立ち並ぶ通りとして有名だが、近年は飲食店やシェアオフィス、ライブラリーカフェなどテナントも多様化しており、ビアガーデンやアート&ジャズフェスティバルなどのイベントも定期開催されている。
藤崎さんは、「吉田町は野毛と伊勢佐木町をつなぐイメージがあるが、ここが中心となって両側のまちを盛り上げる仕組みづくりしていきたい」と話す。
年内の営業時間は13時~23時頃。不定休。イベント使用時以外もカフェ、バーとしていつでも利用できる。ビール600円、カクテル600円から。現在はドリンクのみだが、今後2階の厨房を利用してフードの提供も行っていく。2015年からはランチタイムの営業も予定している。