ヨコハマ映画祭実行委員会は、映画ファンが主催する映画祭として知られる「第36回ヨコハマ映画祭」の開催に先駆け、2014年度の日本映画ベストテンと個人賞を発表した。
今年で36回目を迎える同映画祭は、自治体やスポンサーからの支援を受けず、会社員や学生など日本映画ファンがボランティアで主催する映画祭。
グランプリは呉美保監督の「そこのみにて光輝く」。同映画祭では作品賞のほかに、監督賞、脚本賞、撮影賞、主演男優賞の5冠を獲得した。2位は吉田大八監督の「紙の月」、3位は安藤桃子監督の「0.5ミリ」。
以下、4位「WOOD JOB!(ウッジョブ)-神去なあなあ日常-」(矢口史靖監督)、5位「私の男」(熊切和嘉監督)、6位「ぼくたちの家族」(石井裕也監督)、7位「愛の渦」(三浦大輔監督)、8位「家路」(久保田直監督)、9位「野のなななのか」(大林宣彦監督)、10位「ほとりの朔子」(深田晃司監督)と続く。
主演男優賞は「そこのみにて光輝く」の綾野剛さん、主演女優賞は「紙の月」の宮沢りえさん。森田芳光メモリアル新人監督賞は、東日本大震災後の福島を舞台にした作品「家路」の久保田直監督、特別大賞は津川雅彦さん。今年の各賞は映画評論家、映画ファンなど37人の投票で決定した。
表彰式と上映会は、来年2月1日に神奈川県立音楽堂(横浜市西区紅葉ケ丘9)で開催。当日は、「紙の月」「WOOD JOB! -神去なあなあ日常-」「そこのみにて光輝く」の3作品を上映するほか、各賞受賞者やゲストを招いた表彰式を行う。詳細は同映画祭ホームページで。
ヨコハマ映画祭実行委員会の北見秋満さんは「今回は会場を関内ホールから神奈川県立音楽堂に移しての開催。2014年度、最高の輝きを放った映画人を顕彰する個人賞表彰式を頂点に、最多5冠受賞の『そこのみにて光輝く』など3作品を上映する。呉美保監督の前作『オカンの嫁入り』をベストテン1位として推した私の評価を裏切らず、作品賞を受賞しもどってこられたことを心から喜んでいる。また、安藤桃子監督『0.5ミリ』の凄みある演出も含め、女性監督の活躍が顕著な2014年だったと思う」と話している。
同映画祭で審査員を務めるのは映画評論家や映画ライターなどの映画関係者と一般映画ファンで、映画人と映画ファンの出会いの場となっている。今年2月に行われた「第35回ヨコハマ映画祭」には、主演男優賞を受賞した福山雅治さん、主演女優賞の真木よう子さんら映画人と1,100人の映画ファンが訪れた。