石川町のアートスペース「gallery and cafe fu」(横浜市中区石川町1)で、イラストレーター・加藤秀之さんの個展「ヌクヌクのいるところ」が開催されている。
「ヌクヌク」は、毛糸や生地で出来た世界に住むという加藤さんのオリジナルキャラクター。ヌクヌクたちの生活する世界はすべて布やボタンなど、裁縫に関するモチーフで作られている。
映画監督・黒澤明さんの長女で映画衣裳デザイナーの黒澤和子さんと俳優・加藤大介さんの長男・加藤晴之さんの次男として生まれた加藤さんは、幼い頃は忙しい母親に代わり、15歳年下の弟の母親代わりを務めていたという。ヌクヌクたちの生活する世界は、当時読み聞かせていたという絵物語が元になっており、今回の展示でも、暖かみのあるかわいらしい世界が展開されている。
ヌクヌクたちのイラストは、スタジオジブリ発行の小冊子「熱風」にも採用され、2014年の4月から同誌の表紙を飾っている。
イラストだけでなく、毛糸で作ったモビールや、弟に読み聞かせていた物語のラフスケッチ集、ぬいぐるみ作家の武井瑛李さんが作成したヌクヌクぬいぐるみも展示。独学で絵を学んだという加藤さんの世界観がギャラリー全体で展開されている。
加藤さんは「ヌクヌクという名前の通り、あたたかみのある絵を、いろいろな方に楽しんでいただきたい。指ぬきのかたつむりや、ボタンで出来た花など、ひとつの絵の中に、いろいろな要素が入っているので、じっくり見て楽しんでいただければ」と話している。
開館時間は12時~22時(日曜は18時まで)。入場無料。展示は12月14日まで。
また、gallery and cafe fuでは、2015年1月24日に加藤さんによる毛糸の額縁作りのワークショップを予定している。ワークショップの詳しい内容はgcfu.ws@gmail.comまで。