京浜急行黄金町駅から日ノ出町駅までの大岡川沿いにある初黄・日ノ出町地区で1月11日、違法飲食店の取り締まり運動「バイバイ作戦」の10周年記念式典が行われた。
式典参加者で周辺の防犯パトロールを実施。「かいだん広場」では定期イベント「のきさきアートフェア」も
「ちょんの間」と呼ばれる違法風俗店が最大で約250店舗軒を連ねていた同エリアでは、2003年に初黄(初音町・黄金町)町内会と日ノ出町町内会、横浜市立東小学校PTAなどにより「初黄・日ノ出町環境浄化推進協議会(Kogane-X)」が発足。神奈川県警と伊勢佐木警察署、京浜急行電鉄などの協力を得て、2005年1月に「バイバイ作戦」がスタートした。バイバイ作戦開始以降も地元住民によるパトロールや交流イベントの開催など、地域再生に向けさまざまな活動を行ってきた。2008年からは「黄金町バザール」も開催され、アートによるまちづくりが進められている。
東小学校で行われたセレモニーでは、協議会副会長で落花生店・谷口商店店主の谷口安利さんが「このかいわいが商業で栄え、人でにぎわい、川で遊べるようなまちにしていきたい。今後の10年に向かってなおいっそうの力をお貸しいただければ」とあいさつ。
神奈川県警察本部の宮下則保生活安全部長は「暴力団事務所の閉鎖など目に見える成果もあり、全国的にも誇れるまちづくりのリーディングケースとなっている」と話した。横浜市の柏崎誠副市長、京浜急行電鉄の原田一之取締役社長らも出席し、協議会副会長の小林光政さんによるこれまでの活動報告や、神奈川県警察音楽隊による記念演奏が行われた。
セレモニー後は、初黄・日ノ出および周辺地区の防犯パトロールを実施。最後に黄金町交番前で協議会から各協力団体への感謝状と記念品を贈呈し、協議会まちづくり推進部会副部会長の伊藤哲夫さんが「環境浄化」の決意を改めて示す宣言文を読み上げた。
同地区では、2006年6月にNPO法人「BankART1929」が「BankART桜荘」を設置し、アーティストの創作活動などを開始(~2010年4月末)。2008年には、京浜急行電鉄と横浜市の協力により京急高架下に文化芸術スタジオが建設され、アートイベント「黄金町バザール」を初開催。アートを生かしたまちづくりが本格的に始まった。翌年4月には、総合的なまちづくりを推進するためにNPO法人「黄金町エリアマネジメントセンター」が設立され、地域のにぎわい創出と地域・アーティストの交流の促進などの取り組みを行っている。
同エリアでは、現在も24時間体制でパトロールや取り締まりを継続している。