横浜市開港記念会館でシルクロード・ネットワーク・横浜フォーラム-絹文化の発掘・保存に向け地域連携

山梨県甲州市上条地区の突き上げ形養蚕民家集落(伝統的建築物郡保存地区)撮影:米山淳一

山梨県甲州市上条地区の突き上げ形養蚕民家集落(伝統的建築物郡保存地区)撮影:米山淳一

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 横浜市開港記念会館(横浜市中区本町1)で3月14日と15日、絹に関わる全国各地の取り組みを紹介し、絹文化の保存伝承のため連携していくことを目的とした初のイベント、シルクロード・ネットワーク・横浜フォーラム「シルクロードでつなぐ街と人」が開催される。

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 同フォーラムは、「横浜歴史資産調査会(ヨコハマヘリテイジ)」(中区相生町3)が、富岡製糸場の世界遺産登録、蚕種や養蚕で繁栄した町の重要伝統的建造物群保存地区への選定など、絹に関する近代産業遺産が注目されるなか、絹貿易の拠点として栄えた横浜で、絹がつないだ多くの地域と改めて連携し、地域活性化の切り札として生かす手だてを考えていこうと企画。関内エリアの主な絹遺産を巡る見学会やセミナーなどが行われる。

 見学会は、14日14時30分~16時分。横浜市開港記念会館で集合し、日本大通の旧三井物産ビル・旧三井物産横浜支店倉庫跡(日本大通14)、本町2丁目の生糸貿易商・中居屋重兵衛店跡、北仲通北地区の旧横浜生糸検査所附属倉庫事務所(通称「旧帝蚕倉庫事務所」、横浜市指定有形文化財)と復元された旧生糸検査所(現第2合同庁舎、横浜市認定歴史的建造物)などを見学する。参加費600円。その後交流会(費用別途)も予定。

 セミナーは15日11時~16時。川幡留司さん(三溪園保勝会)の記念講演「絹の歴史と文化・原三溪」、吉田鋼市さん(横浜国立大学名誉教授・横浜歴史資産調査会副会長)の基調講演 「横浜の絹関連建造物の魅力」の後、事例報告会を行う。元蚕糸試験場を「新庄市エコロジーガーデン」として整備し、手作り市「kitokitoMARCHE」などの取り組みを行う山形県新庄市、昨年2014年12月に重要伝統的建造物群保存地区に選定された養蚕製糸業の町・稲荷山商家町のある長野県千曲市、はたおり唄「うちおり」の残る埼玉県飯能市など全国10数カ所から報告が行われ、絹でつながる地域で連携し絹文化の保存伝承を行うネットワークの設立が呼びかけられる。参加費用は900円。

 主催の横浜歴史資産調査会の米山淳一さんは「生糸を作るために工場ができ、絹を運ぶために鉄道が敷かれたり、工員はじめ地域の厚生施設として温泉施設が配備されるなど、生糸を生産することは町を発展させ、日本の生活を豊かにしてきた。横浜も生糸貿易を担うなかで、寒村から一大港湾都市と変化を遂げてきた。このフォーラムでは横浜の使命を考え、絹で栄えて発展した歴史を発信し、各地域とネットワークを組んで、全国のシルク遺産の調査・保存に取り組んでいきたい」と話している。

 参加申し込みはホームページから。申し込み締切は3月13日。問い合わせは、横浜歴史資産調査会(TEL 045-651-1730)まで。 

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