1929年に建設された歴史的建造物「旧第一銀行横浜支店」(一部復元)に6月30日、横浜市の創造都市拠点「YCC ヨコハマ創造都市センター」(横浜市中区本町6)がオープンした。
同施設は、2003年に横浜市認定歴史的建造物に認定。2004年からはNPO法人「BankART1929」が「BankART1929 Yokohama」として、2009からは公益財団法人「横浜市芸術文化振興財団」が「ヨコハマ創造都市センター」として運営し、さまざまなプログラムの実施やイベントスペースとしての提供を行ってきた。
公募に応じた6者から選ばれた今後5年間の運営団体は、一般財団法人「セゾン現代美術館」、株式会社「トーンアンドマタ―」、「オフソサエティ」株式会社、「デザイニト」株式会社の4社が新たに設立したNPO法人「YCC」。館長はオフソサエティ代表で「Arts Towada/十和田市現代美術館」の全体監修などを手がけた長田哲征さんが務める。
1階の「カフェ オムニバス」には、それぞれインフォメーションやサラダバーとして機能する、5組のクリエーターによるカートを配置。「パテドカンパーニュのバケットサンド」や「ファラフェルサンド」などのサンドイッチや、ドリンク・サラダが付いたランチ(750円~1,200円)、ハンドドリップコーヒー(ブレンド・シングルオリジン各550円)、ビールなどのアルコールを提供する。営業時間は11時30分~22時。
これまで事務室として使用していた2階に新設された「コワーキングスペース キャンバス」は、フリーアドレス席(16,200円/月)16席、プライベートブース席(23,760円/月)5席、プロジェクトルーム4室(43,200円~/月)で構成。初期登録料は10,800円。面積は112平方メートル。利用時間は平日=9時~22時、土曜・日曜・祝日=10時~22時。
3階のイベントペース手前には、「ファブラボ・ベータ・馬車道」を新設。3Dプリンター、レーザーカッター、刺しゅうミシン、昇華プリンターなどのデジタル工作機器をそなえ、毎週木曜のオープン日には、利用者の制作をサポートするスタッフが常駐する。機材の使い方講習会や、親子で楽しめるものづくりイベントの開催も予定している。オープン時間は11時~17時。
また、1階エントランスホールとカフェ オムニバスでは7月20日まで、造形作家の高橋士郎さんによるバルーン作品と、現代美術作家の今井俊介さんの絵画作品を展示。3階には、デザイン集団「NOSIGNER」とYCCのコラボレーションによるインスタレーション「クリエイティブ市民のための6つの手引き」を7月13日まで展示する。
館長でNPO法人「YCC」代表理事の長田哲征さんは「キーになるのがカフェ。建物内に入ったことがないという人も大勢いると思うが、お茶を飲むために入ってきて、面白いアートやデザインに出会うかもしれない。さまざまな人間が集まって生まれる多様性によって、さまざまな人を惹きつける場になれば」と話している。