かつて横浜の中心部を通っていた「横浜市電」の写真や資料を集める市民グループ「しでんの学校」が、横浜市電保存館(横浜市磯子区滝頭)で「しでんの学校写真展 滝頭編~走っていた頃の市電たち~」を開催している。
横浜市電保存館には実際に使用された車両7両が保存展示されている
写真展では、市民から提供を受けた市電の写真など21枚を展示。中区の県庁前や本町を走る市電を写したものや、廃止前に走った花電車を撮影したカラー写真をはじめ、横浜市電保存館がある滝頭周辺の写真を紹介している。
横浜市電は、1904年に横浜電気鉄道として開業した路面電車。1921年からは横浜市が運営。1960年代には中区、西区、神奈川区、南区、磯子区、保土ヶ谷区に路線を伸ばし、最盛期を迎え、その後自動車の増加による交通渋滞などの理由から、1972年に廃止された。
「しでんの学校」は、横浜市電の廃止から40年以上が経過し、記録の減少や写真の劣化が危ぶまれる中、学生や会社員などを中心に2012年8月に結成。「集める・学ぶ・伝える・残す」ことを活動の軸とし、写真の収集・デジタル化や史料の研究などの活動をしてきた。2年間の活動で700枚以上の写真が集まったことから、写真展の開催に至った。
「しでんの学校」代表の大西智樹さんは「横浜市電保存館で写真展を行うのは初めての試み。選定した写真は、1960年代後半~1972年の廃止までが中心となっている。当時を知る方々だけでなく、市電に乗ったことがない世代の方にも、保存車両が実際に横浜の街を走っていたということを感じていただきたい」と話している。
開催時間は9時30分~17時(入館は閉館30分前まで、30日の展示は16時まで)。開催期間は9月27日まで。入場料は一般(高校生以上)100円、小・中学生50円。