世界的に著名な鉄道模型製作・収集家であった故・原信太郎さんのコレクションを展示している「原鉄道模型博物館」(横浜市西区高島1)で、「時代の先端を駆けぬける 京急展」の第二期として「京急展 秋の特別催事」が開催されている。
京急のマスコットキャラクター「けいきゅん」とパンタグラフ「PT43-E」
京急は、川崎から川崎大師を結ぶ大師電気鉄道として、1899年に開業した日本で3番目の電気鉄道。1930年に品川(現在の高輪)~横浜間が開業し、その後、横浜~浦賀間を営業していた湘南電鉄と直通運転を開始し、現在の京急本線が全通した。1942年に東京急行電鉄に合併され、1948年に京浜急行電鉄が設立された。
関東の私鉄では珍しく、品川~横浜間をJR線と並行して走ることが特徴。古くから高速で走ることが求められてきた。普通電車が特急列車などを待ち合わせる仕組み「二重退避」や、連結や切り離しをスムーズに行うための「密着式連結器」をいち早く導入するなど、高速での運行を支えるために工夫されてきた。それらの独自性から京急を愛する鉄道ファンも多く、原信太郎さんもその1人だった。
今回の展示では、京急の歴史と技術に触れる展示として、貴重な文書類、図面、表示板など、技術先駆者の歴史が分かる品々を中心に展示している。また、京急を愛した原信太郎さんの京急模型コレクションや写真も公開している。
同プログラムは、7月から開催されている「京急展」の第二期企画。9月2日に始まった「秋の特別催事」では、実際に使用されている集電装置「パンタグラフ」や、1920年代に製造され工場内の作業で実際に使用された「仮台車」の展示、駅で使用された日付印字機を使い記念切符に日付を入れる体験などが新たに始まった。
その他、祝日イベントとして、ミニ京急電車の運転(9月20~22日)、京急電鉄の現役社員によるクイズ大会(9月20・21日、10月25日)、京急のマスコットキャラクター「けいきゅん」との撮影会(9月20・21日、10月25日)を開催する。
館長代理の針谷朱美さんは「京急は昔から独自の技術的な努力によって、安定的な運行を維持してきた。そこには、車両、ダイヤの工夫、土木など、それぞれに人間が関わっており、今回はそういった技術的な視点を中心とした展示内容になっている。この展示を見て、どうして京急が早いのかを知っていただけたら」と話している。
開館時間は11時~18時(最終入館17時30分)。火曜休館(祝日の場合は翌日、9月22日は営業)。料金は大人1,000円、中学・高校生700円、小人(4歳以上)500円。11月3日まで。
京急展の開催を記念し、京急横浜駅改札内(中央口・北口・南口)のスタンプを押して同館に行くと、入館料が4人まで10%割引になる特典や、期間中に2回以上来館した方を対象とした京急オリジナルグッズや鉄道模型が当たるキャンペーンを実施しているほか、9月19日からは、館内のパネルや展示物などを撮影してSNSにアップすると、原鉄道模型博物館グッズがもらえるプレゼントキャンペーンも開催予定。