中区若葉町の映画館「シネマ・ジャック&ベティ」(横浜市中区若葉町3)で9月26日から、シリアの民主化運動の中で生きる人々の姿を描くドキュメンタリー映画「それでも僕は帰る~シリア若者たちが求め続けたふるさと」が上映される。
同映画は、2011年に始まった「アラブの春」の影響を受け、中東シリアで非暴力の抵抗運動から、武器を持って戦うようになっていく若者たちの姿を中心に、国の情勢も大きく変化する3年間を追ったドキュメンタリー。監督は、ドキュメンタリーや短編フィクションを手がけるシリア人のタラール・デルキさん。サンダンス映画祭ワールドシネマドキュメンタリー部門グランプリなど、多くの国際映画祭で受賞している。
9月26日に屋良充紀さん、27日に川畑嘉文さんがトークショーを行う。屋良さんは、サッカープレイヤーとして、現役中にプロ契約して世界各地でプレー。2007年より日本サッカー協会のアジア貢献事業で中東シリアに派遣され、シリアサッカー協会配属のコーチを務めている。川畑さんは、ニューヨークの出版社、東京の撮影事務所勤務を経てフリーのフォトジャーナリストとなり世界各地を訪問。2014年、5枚組写真「シリア難民の子どもたち」でJPS日本写真家協会主宰コンテストで金賞を受賞している。進行は同映画を配給するユナイテッドピープル(福岡市西区)代表の関根健次さんが務める。
シネマ・ジャック&ベティの梶原俊幸支配人は「この映画は、シリアの民主化運動の若者たちの現実を映したドキュメンタリー映画。激しい戦闘シーンも含め、若者たちの平和的革命が無残にも打ち砕かれていく様子を非常に近い目線でカメラが追う。戦後70年を迎えた今、本当の平和を考えるきっかけになると思う」と話す。
また、ユナイテッドピープルのアーヤ藍さんは「紛争に巻き込まれている何万人というシリアの人たちを等身大に感じられる作品。戦争の不毛さや、むなしさ、それにより変化していく人たちの様子は、より普遍的なメッセージを帯びている。今の日本で一人でも多くの方にご覧いただきたい作品」と話す。
チケットは前売券=1,300円、当日券=一般1,500円・大専1,200円・高校生以下/シニア1,000円。上映は10月9日まで。問い合わせはシネマ・ジャック&ベティ(TEL 045-243-9800)まで。