国際展示場「パシフィコ横浜」に隣接する約2.2ヘクタールの市有地(横浜市西区みなとみらい1)に2020年、MICE施設(複合展示施設)が新たに誕生する。
MICEは「ミーティング・インセンティブ トラベル・コンベンション・エキシビション/イベント」の頭文字で、建設するMICE施設は、国際会議、展示会、宿泊などの用途を備えた施設。
MICE施設の建物は、地下1階・地上6階建てで高さは約36メートル、約1万平方メートルの多目的ホールや会議室計30室をそなえ、パシフィコ横浜と臨港パークをつなぐ歩行者デッキを整備する。延床面積は43,770平方メートル。
建設予定地は、パシフィコ横浜の山内埠頭側に位置するみなとみらい21中央地区20街区。竹中工務店(横浜支店:西区花咲町6)を代表企業とするグループが施設の設計・建設・維持管理を行う。事業の落札価格は約378億1785万円。
民間収益事業として実施するホテル事業は、リゾートホテルやゴルフ場の運営を手がけるリゾートトラスト(横浜支社:港北区新横浜3)が担当。会員制リゾートホテル「横浜ベイコート倶楽部(仮称)」と、国際会議に出席する政府要人の宿泊にも対応可能な客室を持つ一般高級ホテルを運営する。建物は、地上14階建てで高さ60メートル、付帯施設としてボールルーム、小宴会場、レストラン、スパなどを備える予定。
事業の目的は、横浜の強みを生かしてMICE機能を強化することで、経済的波及効果と文化・産業・人材育成等の社会的波及効果、都市の競争力・ブランド力を向上すること。国際会議の需要増加が見込まれる東京オリンピックの開催に間に合わせ、2020年4月からの営業開始を目指す。
事業者の選定は、施設の設計、建設、工事監理、維持管理・保全など事業計画に関する提案内容を総合的に評価する総合評価一般競争入札方式を採用。入札価格のほかに提案書とプレゼンテーションに基づき審査を行い、総合評価により選定した。
横浜市文化観光局の川手光太施設担当課長は「MICE施設は、みなとみらい21地区にさらなる付加価値と競争力をもたらす。横浜市としては、パシフィコ横浜の運営実績を生かし、おもてなしの心や質の高さで東京五輪とその後のニーズを取り込んでいきたい」と話している。
同事業は、民間資金を活用するPFI方式で、事業期間は供用開始後20年間。完成後は、パシフィコ横浜との一体運用を想定している。