寿町で新たなアートプロジェクトが本格始動-アートツアーも

寿町総合労働福祉会館壁面に制作中の浦田琴恵さんの作品「永遠の開拓者たち」

寿町総合労働福祉会館壁面に制作中の浦田琴恵さんの作品「永遠の開拓者たち」

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 日雇い労働者向けの簡易宿泊施設が並ぶ寿地区で11月8日より、アートプロジェクト「KOTOBUKI クリエイティブアクション2008」のイベントが開催される。主催は、アーティストやクリエイターらで構成する「文化芸術を生かした横浜寿地域活性化プロジェクト実行委員会」(通称・寿オルタナティブネットワーク)。

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 同プロジェクトは、寿町エリア(横浜市中区寿町、松影町)で地域住民らと連携しながらアート活動を展開することにより、地域の活性化を目指すもので、年間を通してアート作品の制作・設置、地域住民とのコミュニケーションの場づくり、アーティストスタジオの設置に向けた取り組みなどを行っている。横浜市が先駆的・実験的な芸術文化の発信を支援する「横浜市先駆的芸術活動助成」の対象事業。

 11月8日から18日までのイベント期間中に、町中に設置された作品や、寿町をテーマとした作品の制作現場、寿地区の新旧名所を歩いてまわる予約制のアートツアーやパフォーマンスなどが行われる。参加作家は、岩井優さん、浦田琴恵さん、遠藤一郎さん、川崎昌平さん、栗山斉さん、田中功起さん、パラモデル、平川恒太さん、増本泰斗さん、松下徹さんのほか、「横浜トリエンナーレ2008」出展アーティストの大巻伸嗣さんも参加する。

 同実行委員会は今年活動を開始し、これまでに、「ネットカフェ難民」で知られる作家の川崎昌平さんが寿町エリアに8,000室以上あるという簡易宿泊所の一室に一時的に滞在し、そこで得られた発想をもとに小説を書くというプロジェクトや、美術家の遠藤一郎さんによる寿町総合労働福祉会館内に「未来カフェ」という交流の場を期間限定で設置するプロジェクトのほか、地域の保育園児を対象とする「プラレール」を使ったワークショップ、建物の壁面を使ったアート作品の制作、地域イベントへの参加などを行ってきた。

 実行委員会でプロジェクトディレクターを務めるアートプロデューサーの橋本誠さんは「住人の高齢化が進み、簡易宿泊施設の空き室が目立ちはじめている状況で、将来の地域の姿を次の世代として考え、クリエイティブな発想で街の活性化を模索していきたい。現在、寿地区を舞台にさまざまな活性化の取り組みが実施されており、短期間で町の状況が変わってきていることを多くの人に知ってもらいたい」と話す。

 ツアー開催日は11月8日、9日、14日、15日、16日、18日。時間は13時~、15時~(各回90分程度)。参加費は1,500円(中学生以下無料)。要予約。大巻伸嗣さんによる大量のシャボン玉を発生させるパフォーマンスは寿町総合労働福祉会館広場で11月18日の11時30分と15時30分より。同日11時~16時には、横浜市ホームレス自立支援施設「はまかぜ」で、遠藤一郎さんによる巨大フラッグ作品の1日限りの展示が行われる。観覧無料。寿町エリアの簡易宿泊所を改装した「YOKOHAMA HOSTEL VILLAGE」と「Hostel Zen」の優待宿泊プランも利用できる。

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