3月15日14時、関東経済産業局 首都圏情報ベンチャーフォーラムとNPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボは、交流サロン「クリエイティブBiz ヨコハマ フォーラム 人・地域・企業の有機的交差が生む創造産業都市・横浜」を開催する。馬車道駅に直結したBankART1929 Yokohamaに、現在注目の21の企業・団体が一堂に会し、4つのエリアで8のクリエイティブ・セッションをする分科会、全体トークセッションを実施。多種多様な個性と技の交流を促進し、横浜で智の産業創出をめざすものだ。また、19時10分からはベイエイリアに新しく誕生したBankART Studio NYKのアート展の会場で交流会も行われる。
クリエイティブBiz ヨコハマ フォーラム「クリエイティブBiz ヨコハマ フォーラム」の企画制作は「連携」と「協働」をテーマに実践型の研究活動をしている智財創造ラボが行い、多種多様な企業・団体をコーディネートした。BankART 1929 Yokohamaで開催される分科会のAREA1はテーマを「インフラ・ネットワーク・コミュニティ構築」とし、コーディネーターをユーファクトリー代表のヒラヤマユウジ氏が、AREA2はテーマを「地域におけるクリエイ ティブ・リソースの発掘と活性化」とし、コーディネーターをYSB代表の舟生俊博氏が、AREA3はテーマを「新たなビジネス連鎖を生む情報デザインとは」とし、コーディネーターを智財創造ラボ主任研究員の渡辺保史氏と杉浦裕樹氏が、AREA4はテーマを「民間主導による新たなソーシャル・システム」とし、コーディネーターをソシオエンジン・アソシエイツ代表の町野弘明氏とD4DRコンサルタントの花田卓也氏が務める。4つのエリアでそれぞれの分科会が同時に行われ、参加者はそれぞれ好きな分科会を聞くことができるというスタイルだ。
智財創造ラボ ユーファクトリー株式会社 株式会社YSB 株式会社ソシオエンジン・アソシエイツ D4DR株式会社合計で8つのセッションには、クリエイティブ産業の最前線を行く企業家や研究者、企業家をサポートする支援組織の方々など、21人の豊富な知識と経験とネットワークを持ったプレゼンターたちが出場し、来場者を交えたトークセッションが繰り広げられる。
【Creative Session 参加者】
分科会の後は、全体会として関東経済産業局、横浜市、起業家、第一線のクリエーターを交えての2つのトークセッション「横浜のクリエイティブ戦略─起業・創業の場としての横浜」、「クリエイティブBizにおける横浜のポテンシャル」が開催される。進行役を務める『情報デザイン入門』著者の渡辺保史氏によると、全体会のセッションのキーワードは、「コンテンツとコンテクスト」、「コミュニティ・オブ・プラク ティス」、「イノベーション」、「ワークスタイルとワークプレイス」だという。「クリエイティブシティへの離陸準備を始めたヨコハマ。文化と経済の両面にわたるイノベーションが、新しいヨコハマの原動力だとすれば、それを支える最大の基盤となるのは、これらのイノベーティブな活動に関わる人々のコミュニティになるだろう。創造するコミュニティをデザインするために、何ができるか? 何をすべきか? ゲスト、オーディエンスを問わず知恵を持ち寄り、アイディアを生み出す場としていきたい。」と語る。
その後、19時10分よりアート展覧会「食と現代美術」展、「Evolution Cafe」展、「Reading Room」展の最終日を迎える注目の拠点「BankART studio NYK」に会場を移し、アート作品の中で企業家とクリエイター・アーティストが集う交流会を開催する。「クリエイティブ・コア」と呼ばれるエリアの海辺の大きな倉庫をリノベーションした話題のスポットで、クリエイターとビジネスの新たな可能性を開くこの交流会イベントにも注目だ。
『クリエイティブBiz ヨコハマ フォーラム』3月15日(火)開催決定!(プレスリリース)横浜市は「IT産業の集積促進」のため、IT産業を横浜の新しいリーディング産業の一つと位置づけ、「横浜市IT産業戦略」を策定し昨年12月24日に発表した。第3部の全体会のトークセッション1に参加する横浜市経済局IT産業振興担当課長の永田紳一氏は、「創造的な産業に従事する「クリエイティブクラス」という新しい階層に注目してる。横浜は創造的な人にとって魅力がある街だ。新横浜の半導体、横浜駅周辺のソフトウェア開発、都心臨海部のデジタルコンテンツ制作など、特徴的なIT企業の集積がある横浜には、感度が高く、最先端のニーズをもつ356万人の市民が暮らしている。これらの優位性を活かした市民生活を豊かにする人間中心の情報技術をもって、横浜オリジナルの情報家電などの競争力の強い商品が生まれることに期待している」と語る。
「横浜市IT産業戦略-ヨコハマ・デジタル・フォアフロント-」策定!! 「ヨコハマデジタルフォアフロント」テーマに講演会 横浜市経済局 横浜市IT産業戦略シンポジウム・開催結果同じくトークセッションに参加する関東経済産業局情報政策課の五十嵐氏は「世界に通用する企業を生み出す環境づくりが首都圏情報ベンチャーフォーラムの目標。大切なキーワードは『アライアンス』。東京から近く、独自の歴史と恵まれた環境がある横浜はポテンシャルを秘めている。まだまだこれから伸びていくのではないか。クリエイティブというキーワードで、世界に売っていくことができる都市だ」と言う。
首都圏情報ベンチャーフォーラムとは、関東経済産業局が平成11年度から行っているプロジェクト。特色のある情報ベンチャー企業が集積している首都圏から世界に通用する企業を数多く、継続的に生み出す好循環を創出させることを目標とし、各地域の支援機関等と連携してその地域活動が自立的・継続的な新産業・新技術創出につながるように発展させていくことがミッションだ。対象産業は主に情報ネットワーク、コンテンツ、電子デバイスなどの情報関連産業で、対象地域は主として東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の首都圏4都県。平成17年1月の時点で参加企業数は266社。
同フォーラムはこれまでの活動において、「約270社におよぶ会員企業との信頼関係」、「関連業界・地域支援機関のキーパーソン、サポーター等の外部人材との人脈」等を構築したが、今後はこれらのネットワークを活かし情報ベンチャーの新事業の創出、新市場の開拓が展開できるようなビジネス成功モデル事例を数多く創出することが課題となっている。日本のIT産業を活性化させるためには、ヒト、モノ、カネ、情報が集まり継続して優れた企業を生み出していく地域クラスターを形成し、新事業の創出、新市場の開拓等を図り、地域の好循環を創出することが必要不可欠だと言える。
同フォーラムが推進する事業は、ネットワーク形成事業、新商品・技術評価事業、連携促進事業、販路開拓支援事業、情報提供事業の5つの事業。今回の「クリエイティブBiz ヨコハマ フォーラム」は、連携促進事業の一環として開催されるもので、横浜における地域クラスターの形成を大目標に置いて、創造的、イノベーティブな人たちの連携と協働のきっかけを創出することを狙っている。
関東経済産業局 首都圏情報ベンチャーフォーラムクリエイティブ・セッション3と全体会にパネリストとして出席する「デジタル・キャンプ!」代表の渡部健司氏は現在、3月25日に大さん橋ホールで「HAMA-Cre EX!(ハマクリ・エクス) VOL.1」開催を計画している。渡部氏は横浜にコンテンツ制作環境を作り出す「デジタル・キャンプ!」構想の一環として、2004年の7月より毎月、クリエイター同士が作品のプレゼンテーションを通して刺激しあうサロン「ハマクリ・イブニング」をシルクセンターの6階ラウンジにて開催してきた。今回の「HAMA-Cre EX!(ハマクリ・エクス) VOL.1」はその拡大発展版であり、シルクセンターの会場ではできなかった規模、内容で開催するというもの。会場ではクリエイターやメーカー、スタジオなどによる展示上映、プレゼン・デモ・パフォーマンスステージなど、クリエイティブなパフォーマンスを行い、それを飲食をしながらリラックスして見ることができる。
「見所は、6メートルのトラスを組み立て、その周りを複数の赤外線カメラで取り囲み、トラス内にいるマーカーをつけた人の動きをリアルタイムでCGのキャラクターに置き換える『モーションキャプチャー』技術のライブパフォーマンスショー。他にも特殊メイキャップアーチストTVチャンピオンによるスピードメイクショー、カスタム自転車の0-4レースショー、ライブで解説やコメントをいれて3D立体映像の魅力を体験してもらう上映イベント、CG映像や映画予告の合成エフェクトのメイキング映像上映など、最新鋭の技術・機材システムを使用した上映やライブパフォーマンスをお見せします」(渡部氏)。
渡部氏はこの「ハマクリ・エクス」を定期的に開催し、様々な人を巻き込んで、いずれは参加クリエイター同士でコラボレーションするプロダクトやコンテンツを実現させたいと語る。「単なる一出展者、一クリエイターとして参加するのではなく、これをきっかけに様々なジャンルの人と交流し、刺激し、コラボレーションする環境を作っていきたい」。
デジタル・キャンプ!横浜市と横浜産業振興公社は「クリエイティブBiz ヨコハマ フォーラム」と同じ3月15日、パシフィコ横浜会議センター5階でベンチャー企業の本社や営業拠点の横浜誘致推進を目的に「ベンチャー経営者フォーラム」を開催する。対象は首都圏進出を目指す全国各地のベンチャー企業経営者、特にIT系やソフトウェア開発、サービス業などだという。フォーラムでは、中田宏市長による「ベンチャービジネスならダンゼン横浜!」をテーマにしたプレゼンテーションのほか、ドリームインキュベータ代表取締役社長の堀紘一氏をコーディネータに迎え、経営セミナー・パネルトーク「ベンチャー企業資金調達激論」を実施する。パネリストは、日本エンジェルズ・フォーラム代表理事の井浦幸雄氏、みなとみらいキャピタル代表取締役の大田嘉春氏、ぱど代表取締役社長の倉橋泰氏、大阪証券取引所東京支社長の村田雅幸氏。併設プログラムとして、ベンチャー企業7社がビジネスモデルをプレゼンテーションし、訪れるベンチャーキャピタリストや投資家、証券会社などにアピールを行う。トーク終了後は、横浜のベンチャー経営者、首都圏のベンチャー支援者との交流会も行われる。
ベンチャー経営者フォーラム横浜市は2003年度からの3ヵ年で「起業・創業350社」を目標としているが、03年度ですでに172社を達成し、順調な出だしを切ったと言える。また、横浜市経済局では上場企業を現在の118社から2009年までに150社まで増やすという高い目標を掲げている。横浜市横浜プロモーション推進事業本部 創業・ベンチャープロモーション課の高木秀昭氏は、「2003年度から中田市長自らが出向いて横浜での起業・創業メリットをアピールする『横浜ベンチャーフォーラム』を東京や大阪で開催し、横浜でのベンチャー創業を推進してきましたが、今回のフォーラムは特に株式公開を目指す企業の誘致を目的に開催するものです。首都圏以外の企業が全国展開を目指して首都圏に進出するとき、その候補地として横浜はとても魅力的な場所であるということを理解していただきたいと思っています」と語る。横浜プロモーション推進事業本部は「創業するならダンゼン横浜!」をキーワードに、「横浜創業9つのメリット」を挙げているが、高木氏はそのなかでも特に他都市と比較してメリットが大きいこととして、東京に近く羽田にも30分程という交通アクセスの良さ、ビジネス地区のオフィス賃料が安いこと、都市としてのイメージがいいこと、さらにベンチャー支援組織TSUNAMIや、横浜メリットファンドなど、民主体の資金支援の仕組みがあることなどを挙げる。
横浜起業家サポートデスク ベンチャー支援組織TSUNAMI 横浜メリットファンド1月28日にパシフィコ横浜で開催された「横浜市IT産業シンポジウム」において、中田市長は「横浜市IT産業戦略」についてプレゼンテーションを行い、創造的デジタルコンテンツ、次世代デジタル機器、先端情報サービスの3つのIT産業の充実が世界に通用する普遍的な価値を生み出すと述べた。横浜市は、「ヨコハマ・デジタル・フォアフロント -最先端の情報技術が感動を拡げるまち-」をキーワードに、横浜の強みを活かしたIT産業クラスターの形成に取り組んでいくという。この動きに合わせるかのように、官、民、学のそれぞれの立場から動き出したヨコハマの新しい産業クラスター形成への今後の取り組みに期待していきたい。
横浜市経済局 横浜市IT産業戦略シンポジウム・開催結果 クリエイティブBiz ヨコハマ フォーラム