花と緑の愛護に顕著な功績のあった民間の団体の功績をたたえ、表彰する「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰。
「みどりの日」の制定の趣旨を踏まえ、国際花と緑の博覧会開催の理念を継承し、緑を守り育てる国民運動をさらに積極的に推進していくため、花と緑の愛護に顕著な功績のあった民間団体に対し、その功績をたたえ、緑化推進活動の模範として表彰するもので、今年度の受賞団体数は全国で115団体。
31回目となる「みどりの愛護」では、横浜市から、本郷ふじやま公園運営委員会公園愛護会(栄区)、上矢部ふれあいの樹林愛護会(戸塚区)、ホタルの里水辺愛護会(保土ケ谷区)、湘南桂台みどりの会(栄区)、鶴ヶ峰バス停花壇を作る会(旭区)の5団体が受賞した。
平成20年3月26日より活動を始め、現在会員数約19名で組織され、本郷ふじやま公園の園内の巡視、樹木の手入れ、除草・清掃、市民参加型イベントの開催等を行っている。自然の里山を活用して整備された当公園は、樹林地の中に園路が設けられ、貴重な動植物が生育している。愛護会は、園路の安全確保のため、毎日の巡視や、随時の草刈等の維持管理を行っており、令和元年の台風15号では、折れ枝や倒木等の多くの樹木被害が生じたが、精力的に園路の整備を行った。また、市民参加型のイベントとして、約100名を対象に「竹林整備(筍掘り)」を開催し、毎年数百人の応募者を得ており、地域に欠かせない公園を支える愛護会として活動している。
平成9年に上矢部ふれあいの樹林開園に先立ち発足し、現在22名で活動をしている。公開されている約1.4haの園内にはコナラ・クヌギなどの落葉樹、シラカシやスダジイなどの常緑樹の混交林に竹林、芝生広場があり、ケヤキやコブシの大木がシンボルになっている。活動は、自然保護・育林部、森の遊び、イベント、広報の4つの部会に分かれて、巡視点検、清掃、草刈りや間伐、竹林管理、樹木や草花のラベルづくり、花壇づくり、竹細工や筍掘りイベント等幅広く活動している。イベントは地元の福祉施設や小中学校、近隣の家族連れが参加し地域に親しまれている。令和元年の大型台風で被害があったが、迅速に巡視点検、危険個所の通行止め、園路復旧を行い安全な利用に寄与した。
平成9年5月より保土ケ谷区の仏向町にある、小川アメニティを抱える谷戸で活動している。谷戸では毎年初夏にゲンジボタルが100頭前後舞い飛ぶ。花と緑の中にホタルが舞う美しい光景をいつまでも守りたいという思いから川の清掃や草刈りをはじめ、植栽、水質調査、生物調査などを続けている。ホタルの時季には毎年沢山の方々が観賞に来る。観賞してもらうだけでなく、ホタルの棲む水辺の環境についても考えていただける良い機会と捉え、案内や説明をしている。また、近隣の小学校とも繋がりを持ち、子供たちに自然環境の大切さに関心を持ってもらえるよう活動をしている。平成29年度には、20年の永年表彰を横浜市がら受賞している。
高齢化が進む街を元のように“瑞々しい街”として再生させ、新しい世代が入ってきたいと思えるような“魅力ある美しい街”にして次世代に引き継ぎたいという思いから、地域住民の有志が集まり、平成26年に設立。平成26年度から30年度にかけて横浜市地域緑のまちづくり事業の助成金により、地域内の商業施設やバスの折り返し所、住宅地といった民有地の緑化と小中学校や保育園、福祉施設、公園、幹線道路の植栽桝といった公共施設の緑化を実施し、その後の花の植え替えや除草、水やりなどの維持管理作業を行っている。さらに、定期的な講習会や、中学校との協働による花植え、緑化した福祉施設でのオープンガーデンなどを積極的に開催し、住民同士の交流を進め、花と緑を通した活気のある美しい街づくりに取り組んでいる。
横浜市旭区最大の鶴ヶ峰バスターミナルの花壇で、平成10年から活動している。現在活動しているメンバー13名は区内全域から集まり、春と秋の花苗の植え付けの他、月3回ほどの水やり、清掃などの維持管理を行い、美しい花壇づくりに努めている。活動メンバーの半数以上は、「よこはま花と緑の推進リーダー」として、さらなる知識や技術の向上を学び、活動をけん引するとともに、日々の維持管理に役立てている。花壇の手入れをしていると、バス利用者だけでなくバスの運転手さんからも「きれいな花ですね」などと声をかけられ、多くの方に喜ばれている。バスターミナルという通勤・通学で利用する場所で、横浜市が進める「ガーデンネックレス横浜」の取組に協力・連携しながら、花と緑があふれる横浜を実現できるよう活動を続けている。
5月16日(土)の第31回全国「みどりの愛護」のつどい(福井県福井運動公園)で、感謝状授与などが行なわれる予定だったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、式典や記念植樹は取りやめとなった。