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3月18日相鉄・東急新横浜線開業 思いを運ぶ一番列車 

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相鉄・東急 新横浜線、開業

 相鉄・東急 新横浜線が3月18日、開業した。

※画像提供=相模鉄道・東急電鉄(以下※は同)

新横浜からの始発が走るまで

 新横浜駅からの一番列車は午前5時8分の浦和美園行。深夜から始発の走行までを追った。

 新横浜駅集合は午前3時・・・空はまだ暗かった。

パンタグラフが上がる、灯りがともる

 4時ごろ、これからパンタグラフが上がり室内灯が点灯するとのアナウンス。

 真っ暗だった車内が明るくなり、開業時刻へのカウントダウン。続いて、4時30分ごろに客車のドアが開いた。

4時40分、改札が開き、乗客がホームへ

出発式は4時48分

 3線と4番線の間で出発式の準備が進む。

 4時48分、出発式が始まった。

一番列車は5時8分

 5時8分。一番列車は定刻で出発。

 列車の後ろ姿が見えなくなると、ホームでは拍手が起こった。

長かったつながるまでの日々、思わず涙

 先頭車両の付近で、出発を見守っていたのは「相鉄東急直通記念ムービー #父と娘の風景」の制作にも関わってきたという相鉄の広報担当者。

 ブランディングから関わってきたという彼女は「長かったです、よくここまで・・・。お客さんが乗っているのを見ると、感動ですね・・・」と目をうるませ、「ずっと最初から20年以上関わっていた社内の人が今日駅務サービス課の課長で来ていて朝からずっと待機していたので、その人の話を伺っているとやっぱり長かったなと・・・」とも。

 そんな話を聞きながら、記念ムービーの「遠いな」「あっという間だよ」の会話は、父と娘の間の思いだけでなく、時を重ねてこの距離をつなぐことに従事した相鉄東急直通事業に関わってきた人のことばでもあるのではないかと想像すると、なんだか目頭が熱くなりそうになった。

広域ネットワーク拡大記念乗車券など 開業記念グッズ

 相鉄・東急新横浜線の開業による広域ネットワーク拡大を記念して、各社局の乗り入れ車両がデザインされた「7社局合同企画 相鉄・東急新横浜線開業-広域ネットワーク拡大記念乗車券-」や、開業記念時刻表、硬券入場券など、開業記念商品がいくつか用意されている。

 新横浜駅の南改札では改札付近で販売している「硬券入場券・出札補充券セット」を求めて階段の上まで続く、長い列。

 地上では7社局合同の記念乗車券を求めて、雨の中、新横浜駅北口東広場から角ふたつ先のプリンスペペのさらに先まで300メートル以上の行列ができ、「お並びいただいても整理券はここまでは配布できません」と係の人が説明して歩いていた。

 開業記念時刻表と硬券入場券は19日に発売開始となる。

新幹線の「新横浜」とつながる 史上初「新横浜始発」の新幹線も

 相鉄東急直通とうたわれ、「相鉄」と「東急」とがつながるイメージが先行しているが、乗客としては「相鉄」と「東急」から新幹線の「新横浜」につながった、ということも大きなメリットとしてチェックしておきたい。

 相鉄・東急の「新横浜」から新幹線「新横浜」へ向かうと想像されるスーツケースを持つ人も多くみられた。

 JRからも、新横浜駅社員一同の名で、相鉄管轄の南口で相鉄へ胡蝶蘭、東急管轄の北口で東急へ胡蝶蘭が贈られ新幹線ビルに祝い幕と、つながったことを歓迎するムード。

 春のダイヤ改正で、史上初「新横浜」始発の「のぞみ」が臨時便として登場していることは特筆に値するだろう。

新横浜が近くなる 横浜は遠くなる・・・?

 相鉄東急直通線の新ダイヤに大して、横浜市内の居住者らが心配したのは、「新横浜駅に向かう便」が増えた分、「横浜駅に行かない」便も出ているという点。それについて、相鉄と東急の各担当者に直接話をきいた。

 要旨をまとめると、横浜駅は相鉄・東急ともに重要と考える、西谷駅の引き上げ線で折り返し運転を行うことで横浜方面の輸送力を確保、相鉄は新サービス「YOKOHAMAどっちも定期」により新横浜線定期で横浜駅での下車を実現、東横線は今年度座席指定車両「Qシート」の導入など、サービス拡充も図るとのこと。

30年も前から諸先輩とつないできた

 結びに、相鉄・東急新横浜線の開業を迎えて、両社担当者の思いを尋ねた。

 「一番列車の出発式の知らせを聞いてホッとしたがまだこれから」と話す相鉄経営企画部の井上剛志課長と、「30年近く前の入社時からこのプロジェクトがあった」と振り返る東急鉄道事業本部の岩本敏彦課長。

 動き始めた相鉄・東急新横浜線。これからどんな未来につづいていくのだろうか。

編集後記

5時8分の始発取材だから4時30分くらいからかな…など甘い気持ちでおりましたら、3時集合の案内にひるみそうになりました。でも一番列車の出発を見守った相鉄広報さんの涙に触れて、起きてよかった…と思いました。
一番列車が乗せているのはいつだって乗客だけではなくて、この日のために関わったすべての人の思いをきっと運んでいるのだろうと。

文・写真・動画=紀あさ/写真作家。鉄道関連の著作に、ヨコハマ経済新聞の特集「京急開業120年 仲木戸駅誕生から115年 生まれ変わった京急6駅 歴史と全駅ビフォア&アフター」や、北海道新幹線の開業までの100日をつづった「北海道新幹線の百話一話物語」がある。

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