ささのは公園
七夕というと神奈川県では平塚の「湘南ひらつか七夕まつり 」が圧倒的な知名度を誇り、宮城県仙台市、愛知県安城市とともに「日本三大」とも称される。
横浜は・・・というと「横浜、七夕」で検索しても、笹竹を設置し短冊に願いごとを書くことができる場はいくつかあるが、大きなイベントは見当たらない。
ひとつ目に付いたのは「長坂ささのは公園」。横浜市都筑区長坂にあり「ささのは」という七夕らしい名前を冠するこの公園、七夕と関係はあるだろうか。
公園はセンター南駅から徒歩13分ほど。地図で見ると、茅ヶ崎公園から続く、大原みねみち公園、葛ヶ谷公園という広大な緑道の向かいにポツンとある。
都筑区 防災・生活マップより
長坂ささのは公園入口
現地についてみると、まず目立つのは「ささのは公園」というポール。
ささのは公園のポール
そしてその先に、全部で8個の石のベンチがあった。書かれた文字を読んでいくと・・・
矢印のあたりに石のベンチがある
ささのは
さらさら
のきばに
ゆれる
おほしさま
きらきら
きんぎん
すなこ
「たなばたさま」の歌詞の中の言葉が書かれているようだ。
「七夕」の言葉で七夕らしさは味わったものの、公園に笹が置かれているわけでもなかった。ここはなぜ「ささのは公園」なのだろうか。
ポールのあるところとは別の出入口の小さい石にも「長坂ささのは公園」
黙して語らぬ「公園愛護会掲示板」
砂子じゃなくて砂場 天の川の砂…には見えない…
星形じゃなくて4つ足の遊具
空までのぼって降りられるかなぁ 滑り台
ダイレクトな「七夕」らしさはどこにもない。どうして「ささのは」なのだろう。
掲示物に都筑区総合庁舎の文字があった
唯一の手掛かりにつながりそうなの情報はこのくらいだったので、都筑区役所を訪れることに。1階の受付で尋ねると「わかるかどうかわかりませんが」との前置きとともに、「公園担当は4階の土木事務所」との教えてくれた。
いざ4階へ
ここで、実はこのあたり一帯の公園はすべて植物(草花・果物・野菜)の名なのだと教えてもらうことができた。
20秒ほどで短いので、以下の動画を再生してみてほしい。
ここで、2005(平成)17年2月の資料の記述を引用すると…「港北ニュータウン開発事業によりできた公園」「この事業では、数年間の間で多くの公園ができる計画となっていたため、多くの名称を考える必要がありました。そこで、ニュータウン内の公園緑地については、当時の地域の代表者などからなる、港北ニュータウン事業推進連絡協議会にも了承を得て、市が命名のルールを決めました。街区公園(現在、児童公園は街区公園と呼んでいます)については、事業区域を6つのゾーンに分け、それぞれのゾーン毎にテーマを設けることとし、そのルールに従って、市が名前を決めています」
「港北ニュータウン事業では、数年間のうちに多くの公園ができる計画であったことや地元が名称に関心が高く、調整に時間を要していたため、一定のルールが必要だと考えて命名基準を定めたものです。命名基準については、昭和61年に当時地元代表や行政関係者などからなる港北ニュータウン推進連絡協議会にも了承を得ました」
つまり多くの公園ができるので、エリアごとに一定のルールを設けたのだという。
命名基準
ささのは公園の周りの、つゆくさ公園、みかん公園、たんぽぽ公園、なのはな公園、つくし公園は皆「植物(草花・果物・野菜)」の名の公園になるエリアだったことがわかった。
ゾーンとテーマの一覧
付近の「昆虫・小動物・小鳥」の公園ゾーンには、かたつむり公園、くわがた公園、てんとうむし公園、ひぐらし公園…と、公園の名前を思うだけで夏休みの絵日記が書けてしまいそうな・・・
七夕に訪れた港北ニュータウン、なかなかすてきな街でした。
公園の付近で見たささのは。お願いごとが叶いますように
編集後記
「植物にした」というルールまではわかったのですが、もし、読者の中で当時のことをご存じで、なぜ植物の中で「長坂」を「ささのは」にしたのかをご存じの方いらしたら、よかったら編集部まで教えてください。info[at]hamakei.com。
ささのは公園の真向かいの「大原みねみち公園」もとてもゆったりできそうな公園でした。