横浜駅きた西口の新施設「THE YOKOHAMA FRONT(ザ ヨコハマ フロント)」(横浜市神奈川区鶴屋町1)が、6月20日に営業を始める。
開業に先がけて、「1~2階 商業エリア」「4・6~12階 相鉄ホテルズ ザ・スプラジール 横浜」「42階 Vlag yokohama」の様子が公開された。オープン直前特集として、内部の写真をお届けする。
目次
「THE YOKOHAMA FRONT」は、横浜駅北側の鶴屋町地区に位置する地上43階・地下2階の複合施設。JR横浜駅きた西口から徒歩3分でアクセスできる他、駅西口直結の複合施設「JR横浜タワー」と歩行者デッキ「はまレールウォーク」で接続している。
はまレールウォークから、同施設2階へ直接入ることができる。3、4階へのエスカレーターもここにある。
高さは約178メートルで、竣工時点では横浜駅西口で一番高いビルとなっている。今回開業する飲食店やホテル、ワーキング会員制ラウンジなどの他、5・13~41階は共同住宅になっており、既に購入者の入居が始まっている。
各階の構成は以下の通り。
■1~4階 商業エリア
にぎわいの創出を図ることを目的とした商業エリア。飲食店や買取販売店、ヘアサロンなどで構成される。3階のクリニックモールと子育て支援施設は先行営業中。
■4・6~12階 相鉄ホテルズ ザ・スプラジール 横浜
短期滞在用のホテルと中長期滞在用のサービスアパートメントを併設。4階は店舗部分も含め、ホテルのエントランスをイメージしているという。
■5・13~41階 共同住宅
横浜駅周辺のセンターゾーンには市の規制により住宅を建設できないため、それに隣接する鶴屋町地区は駅へのアクセスに優れた立地のひとつと言える。
■42階 Vlag yokohama(フラグヨコハマ)
会員制ワーキングラウンジ、カフェ・バー、ホール・スタジオ、プライベートオフィスを併設した複合施設。カフェ・バーは会員以外も利用可能。
1階と2階には主に飲食店が並ぶ。それぞれの階でコンセプトが異なり、鶴屋町方面から入れる1階は鶴屋町エリアとの親和性を重視した活気があり親しみやすい路面店、歩行者デッキ方面から入れる2階は横浜駅の利用者が普段使いできる都会的な店舗となっている。
内覧会の時点でフロアの多くはオープンへ向けて急ピッチで工事中。20日を心待ちにしたい。
1階に並ぶのは居酒屋やイタリアンレストラン、回転寿司など。鶴屋町エリアの路地からアクセスでき、エリアの個性・持ち味を活かしている。
イタリアンバル「DUMBO PIZZA FACTORY」
一部店舗は路面店となっており、前面道路から直接入店できる
1階からエスカレーターで上がる他、駅西口直結の複合施設「JR横浜タワー」から歩行者デッキを通って直接2階にアクセスすることもできる。レストランやバル、カフェに加え、買取販売店も。
台湾料理「京鼎樓 HANARE」
目の前の鉄板で好みの焼き加減に仕上げる「花より、ハンバーグ。」は鶴屋町に2店目の出店
「花より、カフェ。」は「花より、ハンバーグ。」の新業態
6月20日には1階=3店舗、2階=6店舗の計9店舗がオープン。一部の店舗は7月以降のオープン予定となっている。
<1階>
SAKE BASE モロツヨシ(居酒屋)
DUMBO PIZZA FACTORY(イタリアンバル)
スシロー(回転寿司)
トラットリア セレーナ(肉バル、カフェ、イタリアンレストラン)※7月以降オープン予定
トロ政【仮称】(海鮮居酒屋)※7月以降オープン予定
<2階>
京鼎樓 HANARE(台湾料理)
花より、ハンバーグ(ハンバーグ)
花より、カフェ(スイーツカフェ)
喫茶室ルノアール(カフェ)
横浜ベイブルーイング(ビアバル)
ロデオドライブ(買取販売)
modern Japanese "AMANE"【仮称】(和食居酒屋)※7月以降オープン予定
リザラン(スペインバル)※7月以降オープン予定
相鉄ホテルマネジメントが運営する、宿泊機能に特化したリミテッドサービスホテル。これまでに韓国に2カ所展開しており、日本国内の出店は初となる。
6~12階にホテル客室、11~12階に中長期滞在用のサービスアパートメントがある。全221室で、ダブルが164室、ツインが57室。
スタンダードダブル、スーペリアダブル、デラックスキング、スタンダードツイン、スーペリアツイン、デラックスコーナーツイン、ユニバーサルダブルとさまざまな広さの客室を備える。
スタンダードツイン(26.5㎡)
浴室はバス・トイレ別のセパレートタイプ。一部シャワーブースのみの客室もある。
スーペリアダブル(26.1㎡)
デラックスコーナーツイン(40.4㎡)
中長期滞在用にキッチンやランドリー、生活家電を備えたタイプの施設。一番広いレジデンシャルプレミアムツインは50.6㎡の広さ。
レジデンシャルダブル(30.9㎡)
サービスアパートメントには中長期滞在用にキッチンやランドリー、生活家電が備え付けられている
レジデンシャルツイン 35.2㎡
レジデンシャルプレミアムツイン(50.6㎡)
「酢重ダイニング」は軽井沢発祥で、味噌・醤油・酢などの日本の発酵食品を使った食事処をコンセプトとしている。さまざまな種類の寿司を提供する「酢重の鮨」は、同ブランド初の取組みとなる。
営業時間は、「酢重ダイニング」が朝=6時30分~10時/昼=11時~16時/夜=16時~23時、「酢重の鮨」が昼=11時~15時/夜=17時~23時。
朝食は「酢重の銅釜白米ごはんセット」または「THE CITY BAKERYのパンセット」から選べるビュッフェスタイル。
ランチメニューの一部
ディナーメニューの一部
ニューヨーク発のベーカリー。カフェスペースはホテルのロビー機能も担う。横浜駅周辺では、「ニュウマン横浜」にも店舗を構えている。
営業時間は8時~18時。
カフェスペースはホテルのロビー機能も担う
書架には「宝石の国」や「チ。―地球の運動について―」なども並び、個性的なラインナップ
宿泊者専用のフィットネスルーム。利用できるのは16歳以上のみ。ウェアとシューズは自身で用意する必要がある。
「Vlag yokohama(フラグヨコハマ)」は、会員制ワーキングラウンジ、カフェ・バー、ホール・スタジオ、プライベートオフィスを併設した複合施設。横浜エリアの事業共創の支援を目的としている。
相鉄アーバンクリエイツ(以下、相鉄)と東急による共同事業で、企画・運営は「キッザニア東京」の企画・設計や「MUJI HOTEL GINZA」の企画・運営を手掛けたUDS(東京都渋谷区)が行う。
相鉄、東急、UDS、3社のコミュニティマネージャーが常駐し、各社のリソースやネットワークを活用して利用者や入居者を支援する。事業共創パートナーとして横浜銀行の担当者も週2、3日程度訪問予定で、新規事業の資金面やネットワークの相談をすることができる。
約2,000冊の書籍を揃えたワーキングラウンジ。新刊も定期的に追加される。さまざまなタイプの座席が用意されており、通話やウェブ会議のためのスペースや会議室(有料、要予約)もある。
選書は事業共創パートナーのひらく(東京都千代田区)が担当した他、新規事業や事業共創に携わるプレイヤー達が選んだおすすめ本もコメント付きで紹介している。
窓が大きく、地上160メートルの眺めを存分に楽しめる
約2,000冊の書籍が揃っており、情報収集や事業アイデアのヒント探しに活用できる
事業共創に携わるプレイヤーが選んだ本を紹介するコーナーも
施設ロゴをあしらったしおりには、選者のコメントが掲載されている
会員以外でも、誰でも利用できるスカイラウンジ。店名の「mequ」は「ひらめく」「ゆらめく」「春めく」などの「~めく」に由来しており、希望的な未来を想起させる「いい予感が漂う場所」を目指している。
神奈川、横浜の食材を積極的に使用し、「漂う」をテーマに香りの良いものや旬のものを取り入れたメニューを用意する。
営業時間は7時~24時。席数は58席。
ポットサービスのハーブティーとカフェスイーツ
キャラメリゼしたレバーペーストやクミンで香り付けしたポテトなど、「いい香りを漂わせる」ことにこだわったメニューが並ぶ
神奈川県産のクラフトジンも取り扱う
神奈川県藤沢市のブランド豚「みやじ豚」のローストポークとサラダバーのセットメニュー
124㎡のホールと58㎡のキッチン付きスタジオからなる。事前予約をすれば会員でなくても利用できる。使用予約が入っていない日は、ワーキングラウンジとして会員向けに開放する予定。
20~30㎡の家具付きスモールオフィス6室。各部屋5~6名分の家具が用意されており、スタートアップや企業のプロジェクトチーム単位での入居を想定している。
施設コンセプトに共感し、共創していけるパートナー会員を募集する。
オープンに合わせて、「相鉄ホテルズ ザ・スプラジール 横浜」では開業記念の特別料金プランを提供。ロビーの「THE CITY BAKERY」ではパンやクッキー、エコバッグ、オリジナルキャニスターなどがセットになった「オープン記念セット」を30個限定で販売する。
「Vlag yokohama」では、会員制のワークラウンジを無料で利用できるオープンデイを30日まで開催する(要申し込み)。
THE YOKOHAMA FRONT/ザ ヨコハマ フロント Webサイト
https://www.the-yokohama-front.com/
相鉄ホテルズ ザ・スプラジール 横浜 Webサイト
https://sp-yokohama.sotetsu-hotels.com/
Vlag yokohama Webサイト
https://vlag.yokohama/
編集後記
歩行者デッキをJR横浜タワーからJR横浜鶴屋町ビルまで歩く途中で見かけて、いつも気になっていたザ ヨコハマ フロントがついにグランドオープンする。
アクセスの動線が駅直結の歩行者デッキからと鶴屋町の路地からの2つに分かれており、それぞれの雰囲気に合わせたコンセプトになっているので、普段どちらのエリアを利用している人からもすんなり受け入れられそうだ。
気軽に非日常を味わえる42階のカフェ・バーは一般に開放されているので、オープンしたら一度は訪れてみたいと思う。
なお、災害時には2~5階の一部を一時避難者や帰宅困難者へ向けて開放する備えもあるそうだ。横浜駅周辺には他にも一時滞在施設としてリストアップされている施設があるので、駅をよく使う人はもしもの時のために頭の片隅に入れておきたい。
内島 美佳(ヨコハマ経済新聞ライター)