平和をテーマに、若者による映像制作と国境を越えたネットワーキングを続けている一般社団法人「国際平和映像祭(UFPFF)」は6月24日、関内のシェアスペース「さくらWORKS<関内>」(横浜市中区相生町3)で、映画「Little Birds-イラク戦火の家族たち-」上映会を開催する。同映画の監督でフリージャーナリストでもある綿井健陽さんを招き、戦争によって民衆の生活がどのように破壊されるのか、その中で生きる人々の現実について話を聞く。
国際平和映像祭(UNITED FOR PEACE FILM FESTIVAL, UFPFF)は、平和をテーマにした5分以内のショートムービーを世界中の若者から募り、優秀な作品の表彰を続けてきた。今年も、作品募集が始まっている。
「映像によって平和を表現しようと試行錯誤するプロセスで、暴力や世界の状況、平和そのものについて学ぶとともに、互いを知り、国を越えたつながりを持ってほしい」と、代表の関根健次さんが2011年から、国連が定めた国際平和の日(ピースデー)の9月21日に始めた。7回目を迎える2017年は、9月18日にJICA横浜で行われる。
今回の上映会は、優れた戦場ドキュメンタリーを見て、その制作者から平和を伝える視点について学び、語り合う機会として企画された。
綿井さんは、1998年からフリージャーナリスト集団「アジアプレス」に参加し、スーダン飢餓・東ティモール・アフガニスタン・レバノン・イラクなど、紛争や戦場の取材を敢行し「ボーン上田国際記者賞」特別賞等を受賞している。
上映する「Little Birds-イラク戦火の家族たち-」(2006年制作)の舞台は、米国によるイラク侵攻(2003年~2011年)があった首都・バグダッド。綿井さんは、軍事介入直後からの1年半、空爆にさらされたイラクの市民たちの取材に踏みとどまり、カメラを回し続けた。
取材中、綿井さんは街角にあった「お父さん泣かないで、私たちは天国の鳥になりました」という街角に作られた小さな墓標に目を留める。空爆では多くの子どもたちも犠牲になった。綿井さんは、空爆で子ども3人を奪われた父親、クラスター爆弾によって右目を負傷した少女など、「普通の人々」が戦争によって全てを失っていく過程を、極力説明を排してカメラにおさめた。戦争によって一変した暮らしをイラク市民の視点に立ち、淡々と伝えていく。
上映後には、関根さんと綿井さんの対談、参加者とのディスカッションとUFPFF2017の紹介のほか、神奈川県ユニセフ協会の活動を紹介する映像上映も行われる。開会は18時(17時30分開場)、終了は21時30分。一般1,500円、学生1,000円。終了後に交流会が予定されている。申し込み・詳細は国際平和映像祭ウェブサイトから。