横浜市住宅供給公社が、IoT・AI機器を活用した次世代の居住環境の提供に乗り出した。最新の技術の導入により、安心・安全で便利な次世代の暮らしを実現する第一歩として注目を集めている。
2018年1月に入居が始まる横浜市住宅供給公社の大規模複合開発・新築分譲マンション「横浜MIDベースタワーレジデンス」(横浜市西区花咲町6)では、最新のIoT(モノとインターネットの連動)・AI(人工知能)機器を導入し、AIによる音声コミュニケーションやエネルギーデータ分析ができる住宅環境を提供する。
同マンションには、スマートスピーカー「Amazon Echo」とエネルギーデータのリアルタイム分析プラットフォーム「エネトーク」、Wi-Fi学習リモコン「スマート家電コントローラ」をマンション全戸(199戸)に導入する。IoT・AI機器の導入は、エンコアードジャパン、ソフトバンクとの合同による取り組み。
「Amazon Echo」に話しかけることで、住戸内の照明、テレビ、エアコンなどの家電の操作や、ニュース、天気などの各種情報の取得、音楽再生などができる。「エネトーク」では、エネルギーデータを収集してリアルタイムに分析を行い、音声操作で、自宅の電気料金や電力消費量の確認ができるほか、節電のためのアドバイスなどを会話形式で得ることが可能。高齢者の見守りや、外出先からのデータ把握もできる。
横浜市住宅供給公社街づくり事業部の今村美幸さんは「高齢化社会が進む中で、住宅における社会課題の解決を目指す意味でも、住民の方々の理解を得ながらリビングラボ的な取り組みを実施していきたい。今後、公社の新築や既存の団地・住宅でもこうしたIoTやAIを活用した『進化し続ける住まい』づくりの取り組みを拡げ、住む方に安心で安全、健康でアクティブな暮らしをサポートするとともに、地域の新たなコミュニケーションツールに発展させていきたい」と話している。
横浜MIDベースタワーレジデンスは、横浜市営地下鉄「高島町」駅から徒歩3分、横浜駅から徒歩13分の場所にあり、18階建・総戸数199邸、敷地面積約3,732平方メートルのマンション。価格は約5,000万円~1億円。同公社の地域課題の解決に向けた「持続可能な住宅地モデル事業」の一つに位置づけられ、敷地内には商業施設、地域交流スペース、保育所、診療所、屋上コミュニティ広場、有料老人ホーム・デイサービスなどを備える。