横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3)で2017年12月9日から、企画展「石内 都 肌理(きめ)と写真」が開催されている。
《金沢八景》1975-76年 ©Ishiuchi Miyako
石内さんは、1947年群馬県桐生市生まれ。神奈川県横須賀市で育ち、1979年に「Apartment」で女性写真家として初めて第4回木村伊兵衛写真賞を受賞した。2014年には、アジア人女性として初めてハッセルブラッド国際写真賞を受賞するなど、現在、国際的にも高く評価されている。
国内で8年ぶりの大規模個展となった今展は、「横浜」「絹」「無垢」「遺されたもの」の4章で構成。石内さんが正式にデビューする前の1975年~1976年に撮影された「金沢八景」をはじめ、横浜の近代建築を写した「yokohama 互楽荘(ごらくそう)」など石内さんと横浜の関係に焦点を当てた作品を数多く展示する。また、女性の傷跡を写した「Innocence」、撮影開始から10年目となる「ひろしま」など、既存のシリーズの未発表作も多数公開。存在と不在、人間の記憶と時間の痕跡を一貫して表現し続ける石内さんの世界を、全約240点の展示で紹介する。
また、同時開催の横浜美術館コレクション展では、同館が所蔵する石内さんのデビュー作「絶唱、横須賀ストーリー」のヴィンテージプリント55点を展示する。
横浜美術館学芸員の日比野民蓉さんは「石内さんの作品は個人的なものを対象としながらも、その裏には、どれも通底して大きな社会的テーマが潜んでいる。個人の問題を起点にしながらも、最終的には大きな存在を訴えるような作品を体感し、それぞれに新しい発見をしてほしい」と展示の魅力を語った。
関連イベントとして、学芸員によるギャラリートーク(2月3日、2月16日)も実施する。
開館時間は10時~18時(3月1日は16時、3月3日は20時30分まで開館。入館は閉館の30分前まで)。木曜休館(3月1日は開館)。チケット(当日)は、一般=1,500円、大学・高校生=900円、中学生=600円、小学生以下無料。3月4日まで。