認定NPO法人「黄金町エリアマネジメントセンター」(横浜市中区日ノ出町2)は1月23日、「第33回国際交流基金地球市民賞(以下地球市民賞)」の受賞発表会見を行った。
地球市民賞は、独立行政法人国際交流基金(The Japan Foundation)が1985年から実施している団体支援プログラム。「文化・芸術による地域づくり」「多様な文化の共生」「市民連携・国際相互理解」を推進する活動団体が対象で、これまでに100団体が受賞している。2017年度は149団体の中から黄金町エリアマネジメントセンターのほか、芝園団地自治会(埼玉県川口市)、Nagomi Visit(東京都港区)の計3団体が選ばれた。先進性・独自性・継続性・将来性・社会に対する影響力の5つが選考のポイントとなっている。
黄金町エリアマネジメントセンターは、初黄・日ノ出町地区に2000年代初頭から急速に増えた売春などを行う違法特殊飲食店を2005年に警察が一斉摘発し、その後住民らによるアートによるまちづくりが推進されるなか、2009年に設立。これまで、現代アート展覧会「黄金町バザール」の開催、国内外の若手アーティストが中長期で滞在制作を行う「アーティスト・イン・レジデンス事業」のほか、空き店舗の活用、アーティストと地域住民の交流、国際交流事業など「アートによるまちづくり」を積極的に行ってきた。
地球市民賞の選考委員でプロジェクト・コーディネーターの若林朋子さんは「外国につながりを持つ住民も多数暮らす当地域で、アーティストが人々の交流の橋渡しをしている。関係者の絶妙なバランスを保ちながら、人と地域をつなぎ、地域の可能性を模索してきた」と、同団体のこれまでの活動を評価。長年の地道な文化交流によるまちづくりの取り組みが評価された形となった。
彫刻家として制作活動をしながら、黄金町で地域の子どもたちの集まる場「黄金町BASE」を立ち上げた山田裕介さんは「この町で何かが起こるたび、町のイメージを変えることがどんなに大変なことか思い知らされた。この町を変えたいと思っている全ての方々の思いが、重なり合って実現していることだと思う」と語った。
また、黄金町エリアマネジメントセンター理事長の竹内一夫さんは「おかげさまで、この町が『横浜方式』として日本の中でモデルケースとなっている。少し気を抜くとまた元の町に戻ってしまうので、油断できない状態。いかに次世代へとつなげていくのかが重要」と話した。
地球市民賞の表彰式は2月27日、ザ・キャピトルホテル東急(東京都)で行われ、受賞団体には正賞(賞状)と副賞200万円が贈呈される。